ブックタイトル森林のたより 762号 2017年03月

ページ
16/22

このページは 森林のたより 762号 2017年03月 の電子ブックに掲載されている16ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play

概要

森林のたより 762号 2017年03月

●詳しい内容を知りたい方はTEL0573ー66ー1111(代)中津川市林業振興課まで中津川市マスコットキャラクターサーラちゃんわがまちの森林・環境行政中津川市の森林づくり施策を紹介します。中津川市の森林づくり森林の概要中津川市の森林面積は、54千haと総面積の約8割を占めています。そのうち国有林は16千ha、民有林は38千haとなっています。民有林のうち、人工林が23千ha、天然林が13千ha、人工林率は、県平均の45%を大きく上回る62%となっています。民有林の樹種別構成を見ると、ヒノキ人工林が全体の51%を占め、県平均の26%を大きく上回る一方、スギ人工林は県16%に対し8%と、当市が東濃桧の産地であることを顕著に表わしています。また、人工林のうち間伐が必要な森林(3~12齢級)は17千ha、約72%となっています。中津川市の林業就業者の現状面積的には市の約8割を占める森林ですが、林家数は総世帯数のわずか10%で、産業別就業者数では、林業就業者が占める割合は、全就業者のわずか0.5%に過ぎません。平成7年に19事業体、154人いた林業就業者は、平成17年には9事業体、74人に減少しました。平成22年度には12事業体、86人まで増加しましたが、その後は横ばい傾向となっており、林業就業者不足が続いています。中津川市林業の推進中津川市は、伊勢神宮の「式年遷宮用材」として、樹齢数百年のヒノキ材を産出する木曽ヒノキ備林(旧神宮備林)に代表されるように、豊かな森林に恵まれています。また、森林に育まれた水が流れ込む加子母川、付知川など豊かな清流に恵まれています。これら森林の恩恵を享受しながら、林業・木材産業と共に発展してきました。しかしながら、住宅建築の変化に伴い、外材が優勢となり、国産材は需要が減少し、価格も下落してきました。このような状況から、森林経営も困難となり、戦後造林してきた人工林の多くが放置されるなど、森林所有者の森林・林業離れが進んできました。放置森林の増加は荒廃森林の増加を招き、水源のかん養、山地災害の防止、地球温暖化防止など森林の持つ多面的機能の低下による市民生活への影響が心配されています。森林は成林するまでに50~100年という長い年月を必要とします。将来にわたり豊かな森林を維持し、その恩恵を受けるためには、長期的な視点に立ち、計画的そして継続的な森林づくりを進めることが必要だと考えています。こうした観点に立ち、市では、森林や林業を取り巻く現状を見つめ直し、今後の林業政策の方針となる「中津川市林業振興ビジョン」を、平成24年度に策定しました。中津川市における林業支援施策林業振興ビジョンに基づき実施している主な事業を紹介します。1小径木等搬出補助事業間伐後、森林内に放置されている林地残材の搬出に助成2木の駅プロジェクト補助事業森林所有者等個人が自力で搬出してきた林地残材の買取りに助成3東濃桧と飛騨の杉の家づくり支援事業中津川市産材と高山市産材の両方を使用して市内業者により住宅等を建てた場合に助成4中津川市産東濃桧製材促進事業中津川市内の製材業者が中津川市産のヒノキを柱材に製材した場合に助成このような、地味ではありますが、地元への愛着、地元産材への信頼を少しでも高めていくため、事業を進めています。リニアが来る中津川市2027年に、品川~名古屋間の開通が予定されているリニア中央新幹線。これにより現在、首都圏から最速でも3時間弱に位置する本市が、1時間圏内の地域となります。それにより、本市は日本の大動脈の一部となるため、時間距離短縮や首都圏等の巨大市場との直結といった利便性や波及効果の享受により、ビジネスや市民の暮らしに大きな可能性が見込まれます。都会にいながらにして、森林にたずさわることができる生活も夢ではありません。ウイークデーはビル群で仕事、ホリデーは山で散策、それも日帰りで。そんな時代がすぐそこまで迫っています。そのためにも、中津川市の豊かな森林を守り育てるための努力を続けていきます。MORINOTAYORI 16