ブックタイトル森林のたより 762号 2017年03月

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概要

森林のたより 762号 2017年03月

【森の名手・名人編集担当公益社団法人岐阜県緑化推進委員会専務理事黒﨑隆司】※原本は長文のため、文章の一部を割愛しています。●生年月日:昭和11年1月7日生まれ●職業:農林業安江正行さんのプロフィールやすえまさゆき所有山林13haの80%にヒノキを植林し、適切な枝打ちと適期の間伐を行う。電気通信工事業の経験を活かして、独自で考案した鎖とアルミ製足場で作った木登り機を使用し、高所まで枝を打ち、四面無節の優良材の生産に取り組む。会社退職後は、地域の森林の間伐や枝打ちを進めるほか、地元の「佐見の道と川を守る会」にも参加して、地域の環境づくりの指導者として活動されている。名人勢いのいい木と、育ちの悪い木とあるで。やせたとこには、肥料を春1回やる。7.これから1日中山にいてもあきんよ。地域では、「佐見の道と川を守る会」というボランティアのグループで、3、4回くらい川端とか道路端の草刈りをしとる。平成23年10月8日に白川町民センターで、ゴールドマイスターに認定してもらった。林業のほうで枝打ちやとかのやつ。白川町で5人。4人は農産物の関係やったし、おれは山の1人や。今健康でいれるのは、森林浴や歩いて山道を登ることが関係していると思う。今までやったことは子ども孫の代まで残していきたい。これからも今までどおりが、1番の幸せの状態やと思う。れる。夏は水を含んどるで。冬になるともう皮はめくれん。6.山の管理自分の山には、ほかの場所が30カ所くらいあるもんで毎日は行かんな。小さい山オンリー。たまたま、山の面積が小さいのが何カ所もあるもんで1人でやるにはちょうどよかった。遠いとこの山ならこんなとこの草やなんか刈れへんけど、近いもんで運動がてら行ってる。狐もおるし狸もおるしイノシシもおる。山を管理しているのは楽しいよ。たまに見に行くやつが楽しみで。ただ足がへぼなったもんで、ものすごい急なとこやと疲れるわ。今仕事やりおるとこも、標高が高いもんですごい急なとこで、途中で2回くらい休んでは登って行かんと。現場まで行くまでに疲れちまう。チェーンソー2台と、燃料と弁当も持って行かないかん。雨降ったら背中にしょって登らなかんで重たい。手でさげるではとてもえらい。木に登ってるときに周りの景色を見たりする余裕はあんまないな。ものすごい山の高いとこ行って、遠いとこまで見えるとこやなんかは、たまには眺めたりするときもあるけど。なかなかそんな気にはなれんよ。1歩でも登りゃあいかにはよう降りれるかやで。もうこれから10年、20年たつと山の境界がわからんようになっちまうわ。おれらの生きとるうちは、境界のわからんとこはほとんどないけど、地元の人が山に全然行かんようになるとわからんようになってまう。育てた木が同じ大きさになるかというと、そうゆうわけにいかんなやっぱ。よう肥えたとこと、やせたとこでもう格段の差があるし、高いやつは、たまたま15mぐらい登って下ろいたやつもあるけど、普通は10mから12mぐらいは登る。木をどうやって登るかを考えて足場を自分で作った。前は電話の外線の工事の仕事にもいっとったもんでそのときの足場を改良して作ったわけよ。5.ヒノキのよさ強い風のときは、ものすごうゆする。ヒノキは丈夫いもんで絶対おれへん。昔は胴綱やなんかを10mくらいのとこまで打っても使わなんだけど、まぁやっぱり年とってくると危険やし、今は高いとこ登るときは利用しとる。胴綱あると両手が使えるもんですごい体は楽やわ。枝打ちはしごは1本2mで3本つなぐと6mになるわ。それから上へ足場をいくつか使って、はしごの上から1m以上になるともう登れへん。枝の木に届きゃぁなんとか登れんことはないけど。んでこの足場を使って枝のあるとこまで登っていくわけや。ミニチェーンソーって言って、使いええし楽やわ。山行っても調子がわるうなると全然仕事にならへん。やで、予備として大きいやつと小さいやつを持ってきおる。必要なとき何でもできるように。何でもそろえてある。枯れたヒノキは曲がっとる。もとが。ほんでわざと皮をむいて枯らいてある。皮むくと枯れる。夏はヒノキの皮がペラーと簡単にめくな。最近は森林組合頼りで注文して、苗木を買って植林している。4.経験から技術へ山のことが好きやもんで、この仕事は楽しいほうやなぁ。枝打ちすりゃここ、間伐するりゃこう、次はどうして、それを考えて。仕事仲間が4人おるけどおれが1番年寄りで、1番やっとるもんでだいたいおれの思いどおりに。みんなが一生懸命やってくれるもんで。30haの山を2年と3カ月かな。連続にやらしてもらったわ。仕事をしていてうれしいことは、友達と一緒に仕事をすること。逆につらいことは、この年になったもんで、30分か40分連続にやるってことができんで、15分か20分やりゃ5分間休憩するとか、少しずつ休んでやらんと昔のようにいかん。冬とかは寒くて手の先が痛いくらいになるなぁ。それが1番つらいわ。雪が降りゃもう山行けんしなぁ。夏は暑くてもう汗だくで。まぁ春と秋が1番ええわ。鎖足場を使い枝打ちしている様子名人自作の鎖足場MORINOTAYORI9