ブックタイトル森林のたより 764号 2017年05月

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概要

森林のたより 764号 2017年05月

●詳しい内容を知りたい方はTEL0576ー53ー2010(代)下呂市役所林務課まで5わがまちの森林・環境行政下呂市の森林づくり施策を紹介します。下呂市の森林づくり森林の概要岐阜県の中東部に位置する下呂市は、市域が851km2と広大な面積を有し、そのうち森林が約784km2と総面積の約92%を占めています。また、民有林が約71%を占め、そのうちヒノキやスギ等の人工林率は約60%となっており、人工林の約7割がヒノキとなっています。下呂市の森林づくり下呂市は、第2次総合計画に基づき『もっと住みたい訪れたいみんなのふるさとわくわく下呂市』を将来像としたまちづくりを目指し、林業部門では、次の3つの観点から森林づくりの施策を展開することとしています。(1)森林整備体制の強化(2)森林の適切な管理(3)森林・林業への理解と木材利用の促進森林整備体制の強化下呂市内には、森林組合等の森林事業体のほか、地域の森林を健全に整備したいという地元の有志で構成された林業団体が多くあります。森林を整備するうえでは、施業の集約化を図ることが重要ですが、地域の林業団体の体制や零細な森林所有者の自助努力では、集約化施業の基本となる森林経営計画の樹立が困難です。そのため、下呂市では、林業や建設関係団体等と協力し「下呂市森林集約化協議会」を組織して、このような団体に対して、森林経営計画及び路網計画策定のサポートのほか、森林整備の実効的な提案をし、市全体で林業の活性化に取り組んでいます。また、路網の整備においては、国・県の補助事業を受け開設する作業道開設事業費への15%以内の補助嵩上げや延長が短い等の理由により国・県の補助対象とならない開設事業費、既設作業道の維持補修費の一部を助成するなどの支援を行っています。森林の適切な管理下呂市の人工林は46年生以上の森林が約7割を占め、利用可能な資源が豊富にあります。この森林資源を有効活用し、災害が起きにくい健全な森林を育成するため、間伐材の搬出を推進しています。市内には、集成材用のラミナ工場や製紙用・燃料用チップに加工する工場があります。これらの工場で使われる木材は小曲り材などの低質材でいずれも価格は安く、採算を合わせることが難しいため、これらの木材を出荷する運搬経費の一部を助成しています。また、里山林を広葉樹林へ林種転換していく取組みも推進しています。この取組みでは、地域の自治会や森林所有者を対象に希望する樹木の苗木を配布し、景観の改善や、人と自然が身近に触れ合えるようになり、さらには、花や実のなる木が育つことで、地域の方が花見をしたり、普段ふらっと立ち寄るなどの憩いの場の創出にもつながっています。木材利用の促進森林の適切な整備は、山を管理するだけではなく、森林資源を活用することも重要です。そのため下呂市では、住宅を新築・増改築する際に、市産材の使用量に応じた助成をすることで、市産材の利用促進に努めています。森林・林業への理解第57回全国植樹祭を契機に、未来を担う子ども達をはじめとして、多くの方々に森林のもつ役割や楽しさを伝えるため、身近に森林に触れ合える場所として整備された「皇樹の杜」を拠点に森林を活かしたイベントを開催しています。また、岩屋ダムなどの豊かな水資源のあるまちとして名古屋市や尾張地域など木曽川下流域の自治体とも交流を行い、間伐や下刈り等の森林体験を通して、水源林を保全する大切さを学んでいただいています。下呂をもっと活気あるまちに!下呂市は、日本三名泉のひとつ下呂温泉を有する観光地ですが、温泉のほかにも「飛騨小坂の200滝」や「馬瀬川渓流魚付き保全林」等の、豊かな自然があります。このような豊かな自然を適切に整備・保全することで、人々が森林浴やトレッキングなど、林業を活かした観光振興を行っています。今後も林業振興を推進し、下呂市の活性化を図ってまいります。【下呂市役所林務課黒木拓也】▲下呂市みどりの祭▲小坂の滝めぐり▲下流域との交流(間伐体験)MORINOTAYORI 16