ブックタイトル森林のたより 764号 2017年05月

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概要

森林のたより 764号 2017年05月

●詳しい内容を知りたい方はTEL050ー3160ー6090(代)岐阜森林管理署まで国有林の現場から中部森林管理局優秀賞受賞森林共同施業団地における生産性向上への取組みについて8岐阜森林管理署森林技術指導官熊﨑裕文平成26年度より中部森林管理局の全署(所)において「生産性向上実現プログラム」に取り組んでいますが、岐阜森林管理署では27年度にプロジェクトチームを立ち上げ、岐阜県可茂・下呂農林事務所、岐阜県立森林文化アカデミー、事業体、署と民有林施策等に携わる各メンバーがチームを組み、生産性向上実現プログラムの取組を開始しました。本稿では平成28年度の取組の成果について紹介します。事業地は本誌4月号で紹介した、ケーススタディ地区であり、民国連携による森林整備を目的に締結している、当署管内3地区の森林共同施業団地内の一つ、「七宗町上麻生地区森林整備推進協定」の団地内としました。この取組はPDCAサイクルで進めています。最初に現地にて署事業担当者等と事業体間でP(プラン)ミーティングを実施。事業実行前には「事業計画」「目標林内労働生産性」を、計画(P)会議にてチームメンバーで検討し、取組内容等を確認。事業開始後は作業日報等に基づく月単位の実行状況(D)を、計画・目標(P)と比較(C)して、監督員と現場代理人及び現場技術者が改善(A)を図るという短・中期のDCAサイクルを実施。中間期には実行・点検(DC)会議をチームにて現地で開催。事業終了後は、改善(A)会議にてプロジェクト全体を振り返り、事業の中で工夫、苦労した点、作業日報の結果分析、今後の課題と取組について意見交換等を実施しました。この取組の実行結果集約については年度末に中部局で開催される結果発表会で報告したところです。このプロジェクトの一番の目的である林内労働生産性の向上については、目標の5・10m3に対して8・93m3の生産性を達成することができました。要因としては、1入念な現地踏査から路網の線形間の幅を検討し設計・作設したことで直取り範囲を拡大させた。2直取り範囲内の集材作業にプロセッサを使用し、造材工程と併用させることで、主要のウインチ付きグラップルの作業範囲が明確となり、同一作業道上の集材から造材、積込までサイクル効率の良いシステムとなった。3林内運搬にあたり既設林道の路網配置や走行状況に合わせ、最大の積載量となるフォワーダを導入した。4安全対策として、集材工程の作業者間の連絡・合図を徹底するため、携帯型トランシーバを作業者全員に携帯させた。その結果、作業者全員が各工程の進捗状況を把握・共有し、各作業配置間での作業調整が円滑に進み、再配置も時間ロスもなく生産性の向上に繋がった等があげられます。今回、生産性向上実現プログラムを実施した七宗町上麻生地区の施業団地では、27年度に国有林内に民有林へ連結する林業専用道を地元森林組合が開設するなど、森林整備の集約化に繋がる路網整備が進むとともに、組合主催による「新型タワーヤーダ現地視察会」の開催等、団地内での生産性向上に向けた取組が拡がっています。今後も当地域の取組が各地域への発信源となるよう普及・定着に努めたいと考えます。MORINOTAYORI17