ブックタイトル森林のたより 764号 2017年05月

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概要

森林のたより 764号 2017年05月

このたびの人事異動で林政部長を拝命いたしました。重責に身の引き締まる思いで一杯です。今年度、5年間の森林づくりに関する目標、施策の方向性を定めた新たな「岐阜県森林づくり基本計画」がスタートいたします。新計画では、これまでの林業活動を重視した「生きた森林づくり」、環境保全を重視した「恵みの森林づくり」に加え、新たに、「100年先の森林づくり」に取り組んでまいります。「100年先の森林づくり」では、地域毎に望ましい森林の姿を森林配置計画に示し、これを実行していくため、苗木生産の拡充や補助金の嵩上げによる再造林への支援、獣害対策も含めた育林技術の普及等を行ってまいります。森林配置計画の策定にあたっては、林業経営に適した「木材生産林」と、水源地など保全要素の強い「環境保全林」を基本区分とし、これに重複する形で、観光道路沿いの景観価値の高い「観光景観林」、集落等に隣接し生活と密接に関わる「生活保全林」の4つの区分に設定してまいります。今後5年間、市町村ごとの地域検討会での皆様のご意見を踏まえながら区分を設定してまいりますので、ご理解、ご協力をお願いします。「清流の国ぎふ森林・環境税」も新たな5年が始まりました。市町村や各種団体のニーズはもとより、新たな行政課題にも対応しつつ事業を拡充してまいります。具体的には、市町村や団体から要望の多かった提案事業の拡充、従来のニホンジカにイノシシ、カワウを加えた鳥獣害対策の強化、住宅団地など森林地域外の危険木の除去、小水力発電施設の整備、魚類が生息しやすい水環境づくり等、これまで以上に、森林の保全から水環境の保全まで幅広く活用してまいります。また、昨今の人材確保については、県当初予算においても政策の1つの柱「『清流の国ぎふ』を支える人づくり」としているとおり、喫緊の課題です。森林文化アカデミーにおける技術者育成、学生向けの職業体験、「ぎふ木育」による未来の森を担う人づくり等、多様な人材育成を進めてまいります。一方、行政分野では、森林法改正等により市町村の役割が増々重要となってきている現状を踏まえ、今年度、県独自の専門的人材「地域森林監理士」の認定制度を創設しました戦。後造林された森林の多くが利用期を迎えるこの機会を捉え、林業・木材産業の成長産業化と森林・環境の保全、整備を進めてまいる所存ですので、皆様のご支援、ご協力をお願いしまして、就任のご挨拶といたします。重点施策:望ましい森林の姿へ誘導する「100年先の森林づくり」1「100年の森林づくり計画策定プロジェクト」各市町村と協力して地域検討会を開催し、将来の望ましい森林の姿を示す「100年の森林づくり計画(森林配置計画)」の策定を進めるとともに、森林資源の高精度解析を行うなど、精度の高い計画となるよう取り組みます。新?「100年の森林づくり計画(森林配置計画)」の策定(12,700千円)「100年の森林づくり計画(森林配置計画)」策定のため地域検討会の開催?「100年先の森林づくり」の普及推進(7,300千円)航空レーザ測量結果等を活用した森林資源の高精度解析等を行い、精度の高い「100年の森林づくり計画(森林配置計画)」策定の支援2100年の森林づくり計画実践プロジェクト「100年の森林づくり計画(森林配置計画)」に基づき、木材生産林、環境保全林、観光景観林、生活保全林の4区分に応じた森林整備を推進します。?木材生産林への支援(2,729,922千円)森林所有者等が実施する搬出間伐や作業道の整備等に対する助成及び、再造林に必要となるコンテナ苗の安定供給体制整備の支援?環境保全林への支援(428,763千円)奥山林や重要な水源となる森林に対する公益的機能を高めるための森林整備に対する助成新?観光景観林への支援(50,000千円)道路沿いなど地域の観光資源として期待できる森林に対する景観を形成するための森林整備に対する助成新?生活保全林への支援(91,320千円)野生鳥獣の被害や気象害による倒木から住民の生活環境を守るため、緩衝帯の整備や危険木の除去に対する助成3100年の森林づくり計画人材育成・技術開発プロジェクト「100年の森林づくり計画(森林配置計画)」を推進するため、地域の森林づくりを支える専門人材を育成するとともに、獣害対策を含めた育林技術の開発や技術導入、中小規模の森林を所有する意欲ある県林政部の一般会計における平成29年度当初予算額は189億4,247万円、前年度に比べて12億5,515万4千円減、前年度比93・8%となりましたが、これに森林整備関係予算で、国が当初予算を前倒して平成28年度補正予算とした交付金事業11億8千万円を含めますと総額201億2,247万円となり、ほぼ前年度並みとなっています。平成29年度から「第3期岐阜県森林づくり基本計画」がスタートし、本県の森林を将来の望ましい姿へと誘導していく「100年先の森林づくり」を進めるため、重点的に取り組む施策として、「100年の森林づくり計画策定プロジェクト」、「100年の森林づくり計画実践プロジェクト」及び「100年の森林づくり計画人材育成・技術開発プロジェクト」の3つのプロジェクトに新たに取り組みます。また、「第2期岐阜県森林づくり基本計画」から継続して、林業活動を重視した「生きた森林づくり」を進めるための「国内外への県産材需要拡大プロジェクト」、環境を重視し森林を守って活かす「恵みの森林づくり」を進めるための「地産地消型木質バイオマスエネルギー活用プロジェクト」の2つのプロジェクトに取り組むほか、これらの施策を継続的に支える取組である「災害に強い森林づくりの強化」や「木材生産体制の強化」、「木材流通体制の強化」及び「ぎふ木育の総合拠点整備と指導者育成」、「恵みの森を支える人づくりの促進」に取り組みます。このうち、主な新規・拡充事業等を紹介します。岐阜県林政部予算のあらまし平成29年度就任のご挨拶岐阜県林政部長高井哲郎新MORINOTAYORI 4