ブックタイトル森林のたより 767号 2017年08月

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概要

森林のたより 767号 2017年08月

普及コーナー■恵那農林事務所林業普及指導員今井和重恵那地域における普及活動取組み1:架線集材技術研修明智国有林内の皆伐現場において、恵南森林組合が県所有のトラクター型タワーヤーダのOJT研修を受講しました。架設撤去、機械の操作、トン掛けや効率的な集材方法を学び、その後約二カ月間、同機械を借り受け、実際に皆伐事業地の集材作業を行いました。皆伐は初めてという森林技術者も多い中、伐倒方向、架線の位置、作業手順など試行錯誤を重ねながら実施しました。また、新型ラジキャリーを使用した集材システムについて現地検討を行い、スピードや操作性など意見を出し合いました。この機会を利用して、管内の林業事業体の方々にも木材生産の一手段として、皆伐事業が検討できるよう、タワーヤーダでの集材状況を見学する公開研修会を行いました。高性能な林業機械への関心は高く、研修会に参加し恵那農林事務所管内は、岐阜県の東南部に位置し、中津川市、恵那市の2市からなる地域で、県を代表する銘柄材の「東濃桧」の産地として有名な林業地です。地域の森林面積は約93千ヘクタールで、そのうち約8割にあたる72千ヘクタールが民有林です。また、民有林の人工林率は県平均を大きく上回る61%であり、その約8割がヒノキ林です。今回は、当管内における林業普及活動の事例をご紹介いたします。地域の課題~効率的な木材生産と、持続可能な林業経営に向けて~地域の人工林の6割が11齢級以上と、他の地域と同様「人工林の少子高齢化」が急速に進んでいます。利用可能な森林資源が充実してきたなかで、積極的な木材生産への取組みが求められています。木材の生産性向上のため、林業機械の活用や路網の整備が不可欠であることから恵那農林事務所では、これらに関する研修会を開催しました。また、持続可能な林業経営や森林の若返りのため、主伐・再造林は重要な課題であり、県が進めている「主伐・再造林実証プロジェクト」に取り組んでいます。た森林組合では、職員を海外研修に派遣するなど、地域での新たな展開につながっています。取組み2:壊れにくい作業道研修効率的な木材生産のため、適切な路網の整備は不可欠です。恵那地域には花崗岩が風化した「マサ土」が広く分布しており、路網の開設には細心の注意が必要です。また、開設した路網の維持管理のために「壊れにくい丈夫な作業道」の開設が求められています。このため、市と林業事業体を対象とした作業道開設研修会を実施しました。研修会では、地形・地質や森林資源の状況に応じた路網配置や線形の検討、維持費を軽減するための壊れにくい作業道づくりなどについて解説しました。また、法面の浸食状況や排水工の施工方法、危険地形の指標となる植物や立木の曲り状況などを現場で確認しました。▲架線集材技術研修の様子▲作業道研修の様子MORINOTAYORI 12