ブックタイトル森林のたより 767号 2017年08月

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概要

森林のたより 767号 2017年08月

●詳しい内容を知りたい方はTEL0573ー26ー1111(代)恵那農林事務所まで得られた情報をもとに検証作業を進めています。(6月現在)一方、木材生産に適さない人工林について、主伐後の天然更新の可能性を調査しました。引き続き複数の事業地で検証を行い、地域の条件に合った天然更新の基準を作成したいと考えています。取組み5:低コスト造林の取組み主伐後の低コスト造林のため、コンテナ苗は不可欠なものとなりました。中津川市の樹苗生産者は、県内でもいち早くコンテナ苗の生産に取り組みました。生産当初は、コンテナ苗に関する情報が不足し、林業普及指導員等関係者が一体となって取り組んだ結果、現在では安定的な生産が可能となりました。また、加子母森林組合では苗木を5本程度群状に植栽する「巣植え」を行い、低密度ながらも優良材生産を目指す試みを行っています。この地域ではシカの食害が増加していることから、薬剤塗布や巣単位を防護柵で囲う防除取組み4:主伐・再造林の実証林齢構成の平準化による持続可能な森林づくりと、主伐期を迎えた高齢林の伐採により木材需要に応えるため、主伐・再造林は緊急な課題となっています。効率的な作業方法や経費等を具体的に示し、主伐・再造林への関心を持ってもらうことが重要だと考えています。このため、中津川市及び中津川市森林組合と協力し、モデルとなる皆伐事業地を設定しました。モデル事業地では、事前に岐阜県森林組合連合会東濃林産物共販所の協力を得て、木材生産量や収入を予測しました。また、組合所有の林業機械を活用した効率的な作業方法や、低コスト再造林について検討を行い、これに基づき作業を進めました。作業は、今年4月から6月にかけ実施し、現在モデル事業地から対策なども試行しています。このように、地域の需要や現地の状況を考慮した施業を行い、植栽及び植栽後の保育にかかるコスト削減について検討を進めています。おわりに恵那地域の森林の多くが、伐期を迎えようとしています。一方で、古くからの林業地でもある当地域が、今後も永く林業を営むために、次世代の森林づくりは不可欠です。多くの人々の手で、長い時間をかけ作り上げてきた恵那地域の森林を、これからどのように活かし、未来につなげていくのか?この大きな課題に応えられるよう地域の関係者のみなさんと一緒に考え、取り組んでいきたいと思います。研修を通じ、状況に応じた路網配置や、開設を避けるべき地形などの基礎知識を理解してもらいました。今後は、現場で使いやすい地図データの活用等について取り組みたいと考えています。取組み3:木材生産流通の勉強会近年、県内各地に大規模な木材加工・利用施設が整備され、A材からD材に至るまで木材需要が伸びています。木材の需要動向を的確に把握し、求められる材を適時に供給することが山側に求められています。このため、県森林組合連合会東濃林産物共販所と連携し、木材生産を行う事業者等と木材生産流通の勉強会を行いました。木材の用途が広がり、根元から梢端まですべてが活用できることから「1本の木から最大の売り上げを得る」ための採材方法について話し合いました。また、納入する材の規格を正しく理解することも重要であり、具体的な事例を示し、関係者間で共通の認識を持つことができました。今年5月には、中津川市有林の皆伐現場で、D材利用促進のための現地実証を行いました。これまで活用されなかった短材や枝条を現場から直接収集し、木質バイオマス利用施設へ供給する計画です。今後、皆伐事業の拡大に伴い、枝状等の増加が予想されます。今回の実証結果を活かし、これらの資源の活用につなげたいと考えています。▲D材利用現地実証の様子▲天然更新の現地調査の様子▲巣植えのシカ防護柵MORINOTAYORI13