ブックタイトル森林のたより 767号 2017年08月

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概要

森林のたより 767号 2017年08月

「泣けてくる季節」活かす知恵とを森林人56●詳しい内容を知りたい方はTEL(0575)35ー2525県立森林文化アカデミーまで岐阜県立森林文化アカデミー准教授●柳沢直れるところですが、単一の樹種による大面積造林が森林生態系を単純化させた結果、このような病気が増える事になるとは誰も予想できなかったことでしょう●生物多様性の大切さ今や日本人のおよそ4人に1人は何らかの花粉症を発症しているそうです。様々な生き物が暮らす豊かな森林の恵みとよく言われますが、生物多様性の高い森林であれば、ここまでの事にはならなかったかもしれません。森林は恵みだけでなく、花粉症のような形でも我々の日常の生活に影響を与えているのです。日本の森をこれからどうしていくのか、都市に暮らす人も一緒になって、もう一度真剣に考え直す必要があるのではないでしょうか。らの方が数倍質が悪いです。理由は症状のひどさです。写真をご覧ください。痒さのあまり目をこすりすぎたため、目の中に水膨れができています。くしゃみと鼻水は止まらないし、ろくなことがありません。●花粉症から自然をみる気がつくと散々花粉症の悪口を書いてしまったようですが、本当に言いた目の中に水膨れが!スギのつぼみ(1/11森林文化アカデミ-)●花粉と言えば突然ですが皆さん毎年花粉症で苦労しておられませんか?私事で恐縮ですが、私も毎年大変な目に遭っています。今年でいえば正月明けの一月十一日には既に目がヒリヒリ。その後四月までの間に目が痒くなったり、喉がいがらっぽくなったり、消化管上部に焼けつくような痛みを感じたり。これらはスギ・ヒノキの花粉症だと思われます。不思議なのは、これらの症状が出始める時期に仕事場の近くのスギを観察してもまだ蕾は固く、花粉を飛ばしているようには見えないことです。おそらく周囲のスギではなく、遠方から飛んできた花粉を身体が感知しているのではないかと思われます。恐るべき感度です。部屋を閉め切っていてもお構いなし。いやはや逃げ場がありません。スギ・ヒノキが終わると息つく間もなく次の花粉が襲ってきます。そう、イネ科の花粉です。私にとってはこちい事はそれではありません。花粉は忘れかけていた季節の変化や、昔といまの自然の変化についてきづかせてくれるのではないかということです。私は花粉症を自覚してからイネ科植物の開花には人一倍敏感になりましたし、そのおかげで普通の人とは少し違った春の訪れを感じています。また、最近路傍の雑草に、ネズミムギやシナダレスズメガヤなど人間が牧草や緑化のために持ち込んだものが逃げ出して野生化した外来雑草(しかもイネ科!)が増えていることを実感します。●日本の森林と花粉症普段森林や林業に興味のない人も、花粉症を通じて、他人事ではなく自分の事として日本の森林や林業の置かれている状況に興味を持ってくれるかもしれません。1960年生まれの人以降から、スギ花粉に対する抗体を持つ割合が急激に増加することから、スギ花粉症と拡大造林との関連が指摘さMORINOTAYORI 6