ブックタイトル森林のたより 768号 2017年09月

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概要

森林のたより 768号 2017年09月

普及コーナー■森林文化アカデミー森林技術開発・支援センター長屋公三次世代型林業架線研修を開催しました戦略と、常に新しい技術と知識を吸収したいという現場技術者の積極的姿勢が相まって、今回の研修受講につながりました。現場の状況今回の研修現場は、林道終点にタワーヤーダを据え付け、谷越えで支間距離100m程度の下げ荷線を架設しました。集材対象範囲は谷の向こう側のみで、線下の集材範囲の長さよりも横取り範囲の方が長い少々厄介な小規模皆伐の現場でした。しかし、横取り範囲はほぼ等高線方向にフラットに広がっていたので、搬器を先柱近くに停止させれば、荷掛け位置まではリフチングラインを斜め下に引き降ろすようにフックを持って移動することができたため、当初の予想よりは楽に横取り作業ができました。集材対象木には、胸高直径が50cmを超えるスギやヒノキも含まれており、全幹集材ができない場合には先山で2玉にして集材することにしました。5月15日から26日まで、西南濃森林組合の現場技術者7名を対象に、岐阜県が所有するタワーヤーダ「LARIXLAMAKO」を使った「次世代型林業架線研修」を開催しました。研修受講にあたって西南濃森林組合管内の森林は山割りが細かく、また、人工林の林齢が県平均よりも若いという条件のため、作業班が年間を通じて林産事業一本で稼働する体制とはなっていません。その分、作業班のメンバーは何でもできるオールラウンダーが揃っており、林産、保育、植栽、特殊伐採とあらゆる業務に従事することができます。組合では0・25クラスのスイングヤーダを所有しており、林産事業においては車両系や短距離簡易架線による集材システムを行っていますが、地域の森林資源が成熟してくれば、現在は伐り捨て間伐としている道から遠い資源も林産事業の対象となり得るとして、いずれ中距離架線の技術が必要になると考えています。しかし、「従来型架線は非常に高度な技術が求められ、人材育成に何年も要するから手が出せない」「従来型架線は架設・撤去費が嵩むので技術が未熟では事業が成り立たない」という事態が想定されます。そこで、集材機と比較すると架設完了後の集材作業時の操作が容易で、必要人員が少なくて済むタワーヤーダの使い方を学んでおこうと考えました。将来を見据えたプランナーの技術者育成研修の流れと内容タワーヤーダならではの架設工程を覚えてもらうために、全ての作業を一つ一つ全員で行いました。また、本架線の専門業者で数年間修行を積んだ人がメンバーに含まれているので、先柱の作設等の本架線と共通する事項はその人に先頭に立ってもらって進めました。1タワーヤーダを据え付け、タワーを立ててガイラインを設置2先柱の作設とHBL引き回し用ガイドブロックの設置3リードロープの引き回しとHBLとの入れ替え4HBLによるSKLとHALの引き回し5SKLのアンカー固定6搬器へのHAL、HBLの巻き込み7SKLに搬器を載せる8SKLの張り上げとHAL、HBLの緊張▲図1現場位置図▲写真1タワーの真後ろから先柱を確認m3MORINOTAYORI 12