ブックタイトル森林のたより 771号 2017年12月

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概要

森林のたより 771号 2017年12月

●詳しい内容を知りたい方はTEL0585ー23ー1111(代)揖斐農林事務所まで揖斐郡揖斐川町春日地内の林道三倉?上ヶ流線で発生した路側ブロック積擁壁の傾倒について、原因調査し、対処方法を検討しました。破損個所の経緯当該箇所は、昭和22年に幅員3・0mとして開設された後、平成12年に山側を拡幅して幅員5・0mに改築されました。改築の際、既設路側ブロック積擁壁の天端にガードレール基礎を上載し、アスファルト舗装されました。当時、構造物の変状は見られませんでしたが、平成19年頃に舗装面の亀裂、また、平成23年頃には既設路側ブロック積擁壁の傾倒が確認されました。調査内容及び結果構造物の損壊原因を特定するため、1構造物損壊の状況(目視)、2擁壁基礎地盤の状況(簡易貫入試験、地質ボーリング試験、標準貫入試験)、3擁壁背面土の状況(スウェーデン式サウンディング試験、変状土CBR試験)について調査しました各。調査結果は次のとおりです。1構造物損壊の状況道路中心路側側路面に線状の亀裂(延長方向約50m、最大幅20cm)、ガードレール基礎背面部で路面陥没(3箇所)が確認されました。また、擁壁天端には上載したガードレール基礎目地位置から下方に向け亀裂が入り、躯体が前傾している状況が確認されました(1:0 . 4↓1:0. 3 7)。2擁壁基礎地盤の状況路側ブロック積擁壁の基礎は、N値9以上の礫質土上に床付されており、現状の鉛直荷重を算出し検証した結果、支持力に問題は認められませんでした。基礎下の地盤についても礫質土で構成されており、すべり面は確認されませんでした。また、基礎埋戻し土砂が流出した痕跡も見られず、ブロック積擁壁の基礎部に変状はないと判断されました。3擁壁背面土の状況深さ2m程度まで非常に緩い状態が確認されましたが、路床土の変状土CBR値は237%と高く、舗装版沈下の原因が路床土の支持力不足ではないと判断されました。損壊原因調査結果から、路側ブロック積擁壁の基礎部分は今回確認された変状の要因ではないと判断し、次のように、損壊原因を推定しました。・路側ブロック積擁壁が外カーブ中(曲線半径20m)に設置されている・平成11年以降、当路線の改築工事が開始され大型車両の通行量が増加している・ガードレール基礎により路側ブロック積擁壁が嵩上げされている(高さ6m)これらのことから、急カーブ走行によるブレーキや遠心力による負荷により路側ブロック積擁壁の躯体が前傾し、背面盛土に間隙が発生、さらに路面の亀裂からの雨水流入により路盤材が吸い出され路面陥没が発生したと考えられます。対策工法経済性・施工性に加え、直上に民家があることから林道山側には影響を与えないこと、集落への通行に利用されることから短期間での工事が望まれることに配慮し、工法を選定しました。採用工法は、専用の補強パイプにより法面の安定を補強する工法で、採用のポイントは次のとおりです。・盛土、土砂地盤等の孔内崩壊が生じやすい地盤を対象とした特殊な鉄筋挿入工で、既存ブロックを残したまま施工するので安全性が高い・同時削孔注入方式により工期短縮が可能・大規模な掘削や仮設も必要がなく周辺の改変が少ない復旧工事では、当工法による路側ブロック補強の他、路床入替、舗装打替を計画しています。工種施工性○○△△◎○△△△△○◎○(705)◎(497)△(780)○(646)○(683)○(709)△(養生有)△(掘削有)△(掘削有)×支持力不足×滑動OUT△(掘削有)21採用4××3景観・環境への配慮工期経済性(千円/m)総合評価(順位)A工法(補強)B工法(補強)C工法(補強)D工法(新設)E工法(新設)F工法(新設)路側構造物傾倒の原因究明と対処方法揖斐農林事務所林業課川畑裕二完成イメージMORINOTAYORI15