ブックタイトル森林のたより 773号 2018年2月

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概要

森林のたより 773号 2018年2月

くずと糞が混じったもの)を坑道から排出します(写真2)。これが被害発見の目印となります。多数の幼虫に食害された木は枯死することもあります。カミキリ侵入後、多くの地域で被害が周囲の市町村に拡散しています。現在、被害は並木や公園に植栽された桜にとどまっていますが、山の中のヤマザクラ等へ拡がると手の施しようがなくなるため、早期の対策が大切です。防除対策は現在、防除対策として、次のようなことが行われています。1幹にネットを巻きつけて、木から羽化してきた成虫を捕殺する。2樹皮を削って、中にいる幼虫を掘り取る。3フラスが出ている穴に針金を差し込んで幼虫を殺す。4フラスが出ている穴に殺虫剤を鮮半島、ロシアとされています。2012年に愛知県で初めて確認され、現在では、栃木、群馬、埼玉、東京、大阪、和歌山、徳島の8都府県で定着が確認されています。侵入経路は、輸送用の木製パレットの内部に幼虫が潜り込んだまま持ち込まれ、国内で羽化・脱出したのではないかと考えられています。国内ではサクラ(ソメイヨシノ)、スモモ、ウメ、モモを加害することがわかっています。原産国では、このほかにカキ、ハコヤナギ属、ヤナギ属、コナラ属などの樹木も加害するようですが、国内では確認されていません。成虫は、6?7月頃に木から脱出すると、すぐに交尾し、樹皮の裂け目に産卵します。野外で実際どれだけ産卵するのかはわかっていませんが、飼育下では1匹のメスが1000個以上産卵した例もあることから、繁殖力が高いと考えられます。ふ化した幼虫は、樹皮下に穿孔し、形成層を食害して、2?3年かけて成虫になります。幼虫が生育すると、ミンチ状のフラス(木2017年はヒアリが国内で見つかり、大きな話題となりました。近年、経済のグローバル化とともに、外来生物の侵入が増え問題となっています。その中の一つにクビアカツヤカミキリがあります。放っておくと、将来花見ができなくなるのでは、と危惧されています。そこで、今回はクビアカツヤカミキリについて紹介します。クビアカツヤカミキリとは体長25?40mmの大形のカミキリムシです(写真1)。本種の本来の分布地域は、中国、朝注入する。5被害木を伐倒し、粉砕または焼却処理する。1から4は手間がかかる一方で、見落としがあったりすると効果は半減します。5の伐倒処理が最も効果的なのですが、木が枯れていない場合、サクラの伐採に当たっては、地元の合意形成が困難となり、思うようにできないのが現状です。早期発見が大切幸いにも岐阜県ではまだ被害は見つかっていません。被害の定着を防ぐには、被害を早期に発見し、侵入初期に駆除することが非常に重要です。もし、サクラの木からフラスが出ているのを発見したら、森林研究所へご連絡ください。森林研究所●大橋章博●詳しい内容を知りたい方はTEL0575ー33ー2585森林研究所まで今、サクラが危ない!クビアカツヤカミキリに注意を写真1クビアカツヤカミキリ成虫(左:♂、右:♀)写真2幼虫が排出したフラス写真3樹皮を削って掘り出した幼虫MORINOTAYORI 14