ブックタイトル森林のたより 773号 2018年2月

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概要

森林のたより 773号 2018年2月

れも取り入れました。他の情報と自分の技術をブレンドして常に進展するよう工夫しています。Q.樹苗生産のおもしろみは?A.コンテナ苗生産を通じて、森林研究所の方をはじめ、みなさんとお付き合いできたことです。人と関わると、仕事も順調にいく、苗木生産も同じで、欲しい人に合せて物をつくるといいものができる、人を交えたこの循環がおもしろいです。うちでつくる苗はほぼ地元の山に植えられています。山に植栽する前日に、事業体の方が一日に植える分だけとりにきます。「何本植えれる?」「苗の状態はどうだった?」と植える人の声を聞くようにしています。Q.今後の取り組みは?A.現在は裸苗からコンテナ苗へ生産は移行しています。コンテナ苗は年をとってもできるので続けていきたいとは考えていますが、年齢的に次の世代のことも考えていかなければなりません。自分の技術をマニュアル化して、引き継げるようにしていきたいと考えています。山本さんの苗木生産技術と現場の造林・保育技術が重なり、再造林に向けての新たな展開になることを期待しています。【恵那農林事務所多賀幸】地域の人森林資源の充実を受け、全国的に皆伐施業が増加しています。しかしながら、材価の低迷により、その後の再造林を躊躇する現状があります。その再造林を低コストに行うアイテムとして、コンテナ苗の活用が国有林事業を発端として民有林へも広がっています。コンテナ苗とは、容器(主にマルチキャビティコンテナ等)の中に土や肥料をいれて稚苗を育てたものです。一年程度でコルク栓状の根鉢を形成し、培土つきであるため、植栽時期を比較的選ばない、活着率がいいということで普及しはじめました。このコンテナ苗の生産に岐阜県でいち早く取り組んだのが、中津樹苗の山本太一さんです。山本さんに、その当時のこと、また、これからの取り組みについてお話を伺いました。Q.コンテナ苗生産をはじめたきっかけは?A.父親から引き継ぎヒノキ裸苗を四十年ほど生産してきました。多いときで十万本近く生産していましたが、ここ最近、山での新植も少なく、生産しても売れず破棄することが多くなっていました。そんな折、裸苗を出荷していた国有林職員の方から、「今、全国的にコンテナ苗の活用が広がっているが、岐阜県では生産者がいない。このため、取り組んでみないか。」と話をいただいたことがはじまりです。何分はじめてのことで、不安はありましたが、裸苗の需要がこのとおりだったので、藁をも掴む思いで始めました。Q.苦労した点は?A.ゼロからのスタートで不安はありましたが、岐阜県森林研究所の方に試験中の実物を見せてもらったり、育苗の知識をいただいたりして、背中を押してもらいました。また、苗木を育てる技術はあったので助かりました。育苗をはじめた当初(平成二十六年度)は、資材費、施設費はすべて自己資金で賄いましたが、次年度から生産する方が増え、補助事業も新設されたので、負担が軽減されました。Q.工夫した点は?A.基本的にお金をかけないようにしています。自分の技術に沿って育苗環境を整えています。このため、散水施設を一年のうちに三回作りかえることもあります。県外の施設を見学したところ、コンテナの底上げを不要になった園芸用のカゴを利用していたので、そ●詳しい内容を知りたい方はTEL0573ー26ー1111内線(305)恵那農林事務所までコンテナ苗生産、県下第一号!山本さん廃材を利用した底上げ中津樹苗山本太一さんMORINOTAYORI5