ブックタイトル森林のたより 774号 2018年3月

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概要

森林のたより 774号 2018年3月

活かす知恵とを森林人63●詳しい内容を知りたい方はTEL(0575)35ー2525県立森林文化アカデミーまで森と人をつなぐ国際工芸イベント「さじフェス」開催!岐阜県立森林文化アカデミー准教授●久津輪雅ンを作るのです。さじフェスの開催は、日本にもそんなムーブメントを起こすのが狙いです。ヨゲさんは生木のスプーンづくりの第一人者で、世界的に有名な木工家。おかげで受付開始からあっという間に定員が埋まり、3日間でのべ140人の参加者が日本全国から集まりました。もう一つ目的があります。日本でも昔から、里山のさまざまな木を用いて暮らしの道具を作る文化がありました。木杓子はその代表例です。そこで日本からも木杓子職人を講師に招き、日本の文化を改めて学ぶことにしたのです。高山市の有道杓子(うとうしゃくし)は、かつて農民たちが農閑期に限られた道具で作っていたもの。何と調理用の出刃包丁で、生のホオノキを削るのです。実演には、ヨゲさんも日本人参加者たちも興味津々でした。また会場には、ありとあらゆる「雑木」を製材している三重県の武田製材「この木はここで幹が折れ、脇芽が育って新しい幹になってるよね。この曲がりを生かしてスプーンを作るんだ」森林文化アカデミーの森の中で大勢の参加者を前に説明する、スウェーデンの木工家ヨゲ・スンクヴィストさん。昨年10月に開かれた「さじフェス?木の匙と杓子の祭典?」での一コマです。いま、生木を削ってスプーンを作るのが世界的にブームなのです。イギリス、アメリカ、スウェーデン、オーストラリアで「スプーンフェス」などと呼ばれるイベントが開かれ、数百人の人が会場に集い、身近な森の木からスプーンづくりを楽しんでいます。このブームは2000年頃から急速に広がってきたとのこと。人々が暮らし方や自然との関わり方を見直そうとする意識が高まり、その象徴として普段使いの生活道具、木のスプーの協力で、89種類もの国産材のブロックを展示販売するコーナーも設けました。身近な果樹のミカン、リンゴ、ウメなどの木や、日本で一番重いイスノキ、名前が珍しいバクチノキなどが特に人気で、大勢の参加者が木のブロックを買い求めていました。日本の森の豊かさに触れ、木を削る楽しみを満喫する3日間になったと思います。このような生木の木工をグリーンウッドワークと呼び、森林文化アカデミーでは10年以上にわたり普及に力を入れてきました。特に、世界で同時代を生きる人たちと横につながり、日本の豊かな文化を遡って縦につながる、2つの視点を大切にしています。これからも面白い講座やイベントを企画しますのでお楽しみに!3月にはアメリカの木工家がやってきますよ!▲森のなかで説明するヨゲ・スンクヴィストさん▲カラフルでポップなヨゲさんのスプーン▲参加者全員でスプーンを掲げて「ハイ、スプーン!」MORINOTAYORI 12