ブックタイトル森林のたより 775号 2018年4月

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概要

森林のたより 775号 2018年4月

研修会は二部構成により開催し、第一部では、「建築基準法改正と「大規模木造公共建築マニュアル」の変更点」と題し、NPO法人WOODACから河本和義代表理事、塩田佳子理事をお招きし、ご講義をいただきました。前述のマニュアルは、県が同法人の協力を得て平成23年度に刊行したものですが、近年の法改正をふまえ、公共建築物を木造で建築する際におさえるべきポイントをご指導いただきました。特に、安価な無等級材と高価なJAS材とを、メリハリをもって配置する(使い分ける)とよいことや、材料調達はスケジュールに余裕を持ってすべきであること、部分的に外国産材の集成材を使用する割り切りも有効であること等、実効性のある知見、アドバイスを学ぶことができました。岐阜県では、平成29年度から33年度までの5年間を計画期間とした「第3期岐阜県森林づくり基本計画(以下、「基本計画」)」を定め、揺るぎない長期的展望と県民協働による持続可能な森林づくりを推進しています。基本計画に定める3つの取組内容の1つである「生きた森林づくり」を強化推進するため、県では、県産材の利用の拡大に取り組んでいるところですが、近年は、建築基準法等の法令改正(平成27年6月、等)や、木材利用基本方針(※)の改定(平成29年6月)等、特に、いわゆる「非住宅分野」とよばれる中・大規模建築物において、木造化や内装木質化について、法制度上の”追い風“が吹いているという側面もあります。(※)農林水産大臣、国土交通大臣が連名で発出する「公共建築物における木材の利用の促進に関する基本方針」そのような状況下、国や地方公共団体が建築、管理する「公共建築物」については、平成22年10月に施行された「公共建築物における木材の利用に関する法律」にもとづき積極的な木材利用をすすめていくこととされていますが、木造建築の特性(メリット・デメリット)や法令上の制限、またそれらにもとづくコスト計算のポイントなどは、発注側である県、および市町村の行政担当職員に十分認知されていないのが実情です。これらにより、本来であれば木造により建築され(るべきであ)る公共建築物が、RC造やS造で建築されてしまうことがあることから、今般、市町村および県の営繕(企画、建築)職員等を主対象とした研修会を開催しました。岐阜県産材を活用した公共建築物等に関する研修会を開催しましたまた、第二部では「高山市の県産材利用事例」として、平成30年3月竣工予定で建築中の高山市久々野支所の取組みについて、同市の西永勝己支所長からお話しをいただきました。「『なぜ、木造化するのか?』を数値で説明するのは難しいが、感覚的(暖かい、優しい、等)な要素も公的建築には必要ではないか」等の示唆に富むお話を伺えました。県では、今後も公共建築物の県産材利用促進に取り組んでまいります。【県産材流通課今井琢磨】MORINOTAYORI13