ブックタイトル森林のたより 776号 2018年5月

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概要

森林のたより 776号 2018年5月

活かす知恵とを森林人65●詳しい内容を知りたい方はTEL(0575)35ー2525県立森林文化アカデミーまでソーチェーンの目立て角を考えるその2岐阜県立森林文化アカデミー教授●池戸秀隆結果は熟練者が50~53度とバラつきが少なく、学生Aは51~56度で多少バラつき、学生Bは52~64度と大きくバラつきました。また、工具の種類によっては経験の違いや使い方によって仕上がりの角度に差が出る結果となりました。一般に上刃切削角は、鋭角にすると切れ味が鋭くなり柔らかい木や枝を切るのに適した状態になりますが、硬い木などを切る場合に欠けたり、摩耗しやすくなるデメリットがあると言われます。故に、55度を基本とし、切るものに応じて角度を調整する熟練者もいます。今後は、実際の切れ味についても調べてみようと思います。●目立て補助工具そのための工具が2種類あり、市販されていますので、ご紹介します。一つはハスクバーナ社の「目立てゲージ(図―3)」と呼ばれるもので、工具の下側にある切り欠き部分をソーチェーンの上に乗せ、上側にある二つのローラーに丸ヤスリを当て転がすようにしてカッターを目立てします。もう一つはスチール社の「丸やすり付きホルダー(図―4)」で、ホルダーの窪みにヤスリを合わせ、ネジで固定するタイプで、これで研ぐと丁度良い具合に目立てできる工具です。いずれも価格は千六百円程で入手できます。●木に切れ込む刃昨年度の6月号に続き、今回もこのテーマでお話しします。上刃目立て角(図―1)は木を切る際に切れ込むために重要ですが、上刃切削角(図―2)は切れ込んだ後、木を切るために必要な角度だと言われています。前回、よく切れ込む上刃切削角とするためには、円の方程式と接線方程式の関係により、「ヤスリ径の4分の1を刃から上に出して目立てする」ことで可能になると説明しました。では、実際にどうすればヤスリ径の4分の1を刃から上に出すことができるのでしょうか。●目立て角度の計測方法今回は、学生2名と熟練者の3名に協力してもらい、目立てゲージ、やすり付きホルダー、フリーハンドの3種類の手法で目立てをしてもらいました。なお、目立てをした刃の計測方法は、図―5のように、カメラで刃を真横から接写し、切削角に線を引き、分度器で計測する方法としました。●結果とまとめ3種類の手法で、それぞれ5個の刃を研いでもらい、平均した角度をグラフ(図―6)にしてみました。0.010.020.030.040.050.060.070.0熟練者学生A学生B図―6目立てした上刃切削角の角度フリーハンドやすりホルダー目立てゲージ(角度)図-1上刃目立て角図-3目立てゲージ図-2上刃切削角図-4丸やすり付きホルダー図-5写真による上刃切削角の計測MORINOTAYORI 10