ブックタイトル森林のたより 777号 2018年6月

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森林のたより 777号 2018年6月

活かす知恵とを森林人66●詳しい内容を知りたい方はTEL(0575)35ー2525県立森林文化アカデミーまで夏の暑さを防ぐには・・・緑が有効?岐阜県立森林文化アカデミー准教授●辻充孝43℃と20℃も低くなっています。(日陰は35℃程度、外気温は33℃程度)植物は蒸散(汗によって体温が下がるのと同じ原理)によって、葉の温度が上がりすぎない様になっています。そのため、日射を遮るように隙間なく葉が茂ってくれると簾よりも効果的な日射遮蔽につながります。きちんと育てるのが意外に難しいですがチャレンジし甲斐があります。また、通風においても、庭がコンクリートだと、60℃を超す地表面を通った暑い風が入ってきますが、緑の庭だと涼しい風が吹き込みます。このように、植物をきちんと育てることで夏期の居住環境を改善することができ、暮らしの豊かさにもつながります。これから迎える夏に向けて、緑を育ててみませんか。スからと思うかもしれませんがそれだけではありません。次のグラフは、家の中に入ってくる熱バランス目安を示したものです。無断熱住宅では、屋根・壁からが多く、断熱住宅では窓が多くなります。太陽が当たった屋根や壁表面は80℃を超すこともあり、この熱を入れない様にするのが断熱です。ですので、断熱が入ってない家はまず屋根や壁に断熱を施すことでこの熱をある程度遮断します。断熱は冬期に熱を逃がさなくしますので一挙両得です。断熱の次は窓対策です。窓は光や風を●熱中症は家の中が危険!これから夏を迎えるにあたり、年々増加傾向にある熱中症が気になります。倒れる場所は、外よりも家の中が多いというデータが出ています。家の中は、どこか安心という感覚を持っていて水分補給や冷房を怠ってしまうからではないでしょうか。つまり安心と思う場所こそしっかり対策をする必要があるのです。●暑さ対策の基本は?暑さ対策には、いろいろな方法があります。1太陽の熱を入れないこと。2通風や扇風機で体温を下げること。(汗の蒸散効果)3閉め切って冷房をつけること。4薄着になること。(着衣量を減らすこと)などです。このうち、最も大切なのが1の太陽の熱を入れないこと(日射遮蔽)です。この日射遮蔽にはコツがあります。●太陽の暑さはどこから入る?家の中に入ってくる太陽の熱はどこから入ってくるのでしょう。当然、窓ガラ取り入れるため、なくすことはできませんが、この熱は減らせます。太陽のエネルギーは、ガラスを透過して、床やカーテンなどに当たると熱に変化します。その熱が窓ガラスで閉じ込められて温室のようになってしまいます。そのため、窓の外で日射を遮るのが効果的です。●効果的に熱を遮るのは?では、外で遮るのはどんな方法があるでしょう。すぐに思い浮かぶのが簾ではないでしょうか。簾は8割ほど日射を遮り非常に効果的です。(レースカーテンは3割程度)ですが、簾も日射が当たるとどんどん発熱して50℃を超えます。つまり窓の外にヒーターがある状況になってしまいます。そのため簾は、ガラス面からなるべくはなすのがコツです。さらにもっといい対策があります。緑のカーテンを丁寧に育てることです。次の熱画像を見て下さい。右下のアスファルト部分では62℃くらいまで温度が上がっていますが、芝生では日なたでも屋根9%屋根37%壁18%壁36%窓73%窓27%断熱住宅無断熱住宅▲外部の熱画像(8月8日晴天日撮影)MORINOTAYORI 14