ブックタイトル森林のたより 778号 2018年7月

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概要

森林のたより 778号 2018年7月

普及コーナー東濃地域における普及活動■東濃農林事務所林業普及指導員藤井敦地域の概要東濃農林事務所管内は、岐阜県の東南部に位置し、多治見市、瑞浪市、土岐市の3市からなる地域です。古くから陶器の産地として栄え、近年は地形が緩いことから名古屋市のベッドタウンとして発展してきました。地域の森林面積は約24千haで、民有林の人工林率は、県平均に近い44%でありますが、その中には戦前戦後の国、県、市によるはげ山復旧事業等により植えられたクロマツ等が含まれており、マツ類を除くとスギ・ヒノキ林の人工林率は24%しかありません。地域の課題地域の人工林スギ・ヒノキ面積のピークは7~8齢級と11~12齢級の2つあります。若いピークがある理由は治山事業である保皆伐作業は、森林作業道を開設し、グラップル+プロセッサ+フォワーダで集材、運材作業を行いました。作業道から遠い箇所はスイングヤーダを活用し集材を行いました。再造林の苗木は、美濃加茂市の林業事業体が育成したヒノキコンテナ苗と、森林所有からの要望により、地域に自生する広葉樹であるコナラ裸苗を選びました。陶都森林組合ではコンテナ苗専用器具の「ディプル」を購入し作業の効率化を図りました。また、急傾斜地では、森林文化アカデミーよりコンテナ苗用の唐クワを借用し、森林技術者に試験的に使ってもらいました。私もディプルと唐クワで数十本の植栽を行いましたが、平地ではディプルの有効性を実感出来ました。森林技術者からは、地山勾配30度程度以上では唐クワの方が効率的に植栽が行えるとの感想を頂きました。安林整備事業等の植栽によるものです。他の地域と同様に若齢の1~5齢級は少なく全体の4%しかありません。林齢は、いびつな構成となっており「人工林の少子高齢化」が急速に進んでいます。高齢級で利用可能な人工林の森林資源が充実しつつありますが、まとまった面積の人工林が少なく、かつ、痩せ地のため成長が悪い林分が多くあります。土岐市の南部から瑞浪市南部では、森林資源が充実しつつありますが、断層や、花崗岩が風化したマサ土等により木材生産に必要な作業道の開設が難しい場所が有ります。木材生産に適した山林が少ない管内ではありますが、管内の林業事業体は積極的に木材生産へ取り組みをしています。今回は、当管内における皆伐・再造林に関する林業普及活動の事例を紹介します。主伐・再造林実証プロジェクト岐阜県では、今後拡大が予想される皆伐・再造林時代に対応するため、森林資源の活用、木材生産拡大・安定供給、林業事業体安定経営を目指し、平成29年度に、県下10か所の農林事務所毎に、皆伐・再造林のモデル地区を設定し、データを収集し検討を行いました。管内では陶都森林組合が、平成28年4月から瑞浪市釜戸町で、皆伐・再造林を行ったので、この事業地をモデルとし検討しました。当事業地は、瑞浪市釜戸財産区有林で皆伐面積約5ha、ヒノキ83年生から98年生の高齢級林分です。▲はげ山から緑が復旧した丘陵地▲皆伐現場全景MORINOTAYORI 16