ブックタイトル森林のたより 778号 2018年7月

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概要

森林のたより 778号 2018年7月

●詳しい内容を知りたい方はTEL0584ー73ー1111(代)西濃農林事務所林業課まではじめに岐阜県では森林部における航空レーザ測量(4点/m2)を平成25年度から治山課において実施しており、国土交通省砂防事務所のデータを合わせると、民有林の約7割のデータが整備されています。しかしながら、林道事業においてレーザ測量データ(図―1)はほとんど活用されていません。そこで今回は、平成30年度に農林事務所に配備された「岐阜県航空レーザ測量データ活用支援システム」を使用した、林道事業における航空レーザ測量データの活用方法について紹介します。なお、今回岐阜県が導入したシステムは、市町村や森林組合においても10?20万円程で導入可能です。配置計画における活用従来の配置計画の多くは、・森林基本図上のみで検討・計画時における縦横断の検討不足・地図や写真上で危険個所を判断といった手法で実施されており、地形表現が正確ではない森林基本図の使用による計画自体の精度低下、現地測量が配置計画後となることによる縦横断の検討不足、地図や写真にはない崩壊地や崩壊跡地を避ける計画が困難などの問題点があります。しかしながら、航空レーザ測量を活用すると、・精度の高い図面上での検討・パソコン上での視覚的な縦横断の検討・各種データの参照といったことが可能となり、従来の配置計画における問題点の大幅な改善が期待できます。1精度の高い図面上での検討航空レーザ測量の等高線図は、地表面を直接計測したデータから作成されているため、従来の森林基本図には描かれていなかった谷や崩壊地が表現された高精度な図面上での検討が可能となります。2パソコン上での視覚的な縦横断の検討平面図上で線形をプロット(図―2)すると自動的に縦横断図(図―3・4)が作成され、線形や切土・盛土の状況を視覚的に把握でき、再検討を容易に行うことが可能となります。3各種データの参照直感的に理解しやすい立体図(図―5)で表示することや地質図や山地災害危険地などのGISデータを同時に表示して、危険箇所を回避することも可能となります。管理・施業における活用1図面のない古い林道の概略図面の作成微地形図上で線形に合わせてプロットすると、実測しなくても精度の高い縦横断図が自動的に作成でき、管理図面として活用できます。2地図や航空写真にない路網の確認森林基本図や航空写真で確認できない路網も、航空レーザ測量から作成した微地形図であれば明瞭に確認でき、より効率的な森林施業が可能となります。(図―6・7)3施業ポイントの検討タワーヤーダ等を設置したい箇所にラインを引くと自動的に縦断図が作成され、主索設置の可否について容易に確認することができます。これから今後、ドローン測量による安価なデータ更新、システムを利活用できる人材の育成、レーザデータからの森林資源解析など、ハード・ソフトの両面において解決すべき課題が多くあり、さらなる技術開発が待たれるところです。図-1データ解析画像図-2線形プロット図-3縦断図図-4横断図図-5立体図図-6従来の基本図図-7微地形図林道事業における航空レーザ測量データの活用に関する一考察西濃農林事務所林業課川村宏光治山、林道の各研究会では、日頃の業務で直面する課題について、調査・研究を行っています。今年2月に行われた発表会で発表された研究課題を紹介します。MORINOTAYORI 18