ブックタイトル森林のたより 778号 2018年7月

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概要

森林のたより 778号 2018年7月

●詳しい内容を知りたい方はTEL050ー3160ー5675東濃森林管理署まで国有林の現場から裏木曽登録ガイド制度の取組について(後編)東濃森林管理署の取り組み22(6月号のつづき)5東濃森林管理署と協議会との事前調整事項ガイド活動を行う上で、事前に調整した事項は以下のとおり4点です。1つ目は、「木曽ヒノキ備林」については、これまでの経緯を踏まえ、『行楽や観光目的の案内は行わないこと』を条件にしました。2つ目は、入林許可申請書の簡素化として、ガイド実施期間を通して一括申請とし、業務負担の軽減及びガイド活動の効率化を図ることとしました。3つ目は、林道ゲートの鍵の取扱として、適正な使用に心がけることを第1として、鍵の管理簿の作成を条件としました。4つ目は、利用者への安全対策として、服装や林内歩行に適した靴及びヘルメットを着用することや、車両運行時における安全運転の徹底、事故発生時における緊急連絡体制の整備等を条件としました。これまでの過程及び事前調整を経て、平成29年10月に協議会から当署長に国有林内で実施する登録ガイド活動の試行に係る申請書が提出され、先程の条件付きで承認されました。2実行結果ガイドによる案内実績は、10月の試行開始から現在までで4回実施して利用者は99名でした。その内の1回は中津川市観光課主催のモニターツアーのため無償となっています。以下、考察です。(1)「裏木曽登録ガイド制度」が本格稼働した場合の利点1協議会では、世界的にも貴重な温帯性針葉樹林や古くから伝わる伝統文化を普及することによる裏木曽地域の発展や、中津川市における観光事業にも貢献することができるものと考えられます。2当署では、従来職員で対応してきた木曽ヒノキ備林案内や森林教室について、今後は、当署での案内は教育機関等に限定して対応することを考えており、職員の業務負担の軽減が図られ、更に「木曽悠久の森」のPRにも繋がると考えられます。(2)本格稼働に向けての課題と問題点協議会の課題として5つ考えられます。1つ目は「裏木曽登録ガイド」は立ち上げたばかりで知名度が低いため、広報活動として、パンフレットやホームページの作成等をどの様に行い、展開していくのか。2つ目は、案内コースのネーミングやコース数、所要時間の設定等、一般の方から見てインパクトがある魅力的なコースづくりが必要です。3つ目は、申込み受付等の窓口体制の整備・充実を図る必要があり、特に休日や夜間はどの様に対応していくのか。4つ目は、現在ガイド登録されている方の年齢構成は50代以上の方が7割を占めており、継承者及び人材の育成をどの様に行って行くのか。5つ目は、国有林に向かう市道加子母50号線の利用にあたり、道路管理者の中津川市が悪天候時に通行止めの規制を行っており、市と協議会との連絡調整はどの様に行うのかも今後の課題です。署の課題としては2つあります。1つ目は、ガイド活動場所のなかで、木曽ヒノキ備林等は専用林道を利用しなければならない場所にあり、その林道に被害等が発生した場合、ガイド実施予定日に合わせた復旧などの対応は困難であること。2つ目は、国有林内では当署の事業実行が優先となり、工事等の発注に伴いガイド活動に制約が生じることです。(3)今後の取組方針2027年のリニア開通を控えて、岐阜県と中津川市は共に観光事業への期待が高まっており、協議会も将来的にはガイド活動を中津川市全域に展開したいという期待を持っています。当署では、本格的な稼働を前に試行期間中に出された、様々な課題の解消に向けて問題点を整理し、充実したガイド制度の確立に向けて、協議会や地域と連携協力していきます。▲登録ガイドによる二代目大ヒノキの案内MORINOTAYORI19