ブックタイトル森林のたより 778号 2018年7月

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概要

森林のたより 778号 2018年7月

森林作業道について思うことは?森林作業道は、間伐をはじめとする森林整備や木材搬出のための継続的に使用する道であり、繰り返し使える経済性の高い道づくりが必要と考えています。今後について?引き続き「農援隊」を続けるとともに森林作業道の開設も行い、農林業の両立を図ることで下呂地域の農林業の発展に貢献していきたいです。今後、搬出間伐や主伐・再造林の事業地が増えていく中、より品質の高い作業道の開設が求められます。青木さんには地域の模範となる作業道開設オペレーターとして、また地域の農林業の牽引役として活躍されることを期待しています。【下呂農林事務所二階勇二】地域の人下呂地域は、戦後から積極的に人工造林が進められ、良質なヒノキの生産地「益田林業地」として発展してきました。このため、森林・林業への関心の高い森林所有者が多い地域でもあり、自己所有林を自ら施業する自伐林家が多く存在しています。また、当地域は車両系による搬出間伐が主体であることから、森林作業道が多く開設されています。今回、地元の森林組合や森林所有者から絶大な信頼を得て、作業道開設オペレーターとして活躍している青木忠義さんをご紹介します。作業道開設に至った経緯は?岐阜県立林業短期大学校(現:森林文化アカデミー)を卒業後、民間の木材会社に就職し3年間働いたあと実家に戻り、原木シイタケの生産を15年ほど行っていました。その間、シイタケ生産を続けながら県の森林施業計画実行指導員、岐阜県自然保護員としても活動してきました。平成13年頃、地元の森林組合から森林作業道の開設の要請を受けたこと、自身も重機の操作や作業道開設に興味をもっていたことから作業道の開設に携わることになりました。現在は作業道の開設に加え、地元の3名で「農援隊」を設立し、作業委託も含めて約40haの水田を管理経営しています。林業と農業を両立しながら作業道の開設を行うといったとても忙しい状況が続いています。現在の作業道開設の現状は?地元森林組合や森林造成組合から委託を受け、自ら所有するバックホウ3台を幅員に合わせて使い分けながら年間約3,000mの開設を行っています。1日当たりの開設延長は平均で25mです。作業道の開設手順は?1図面で線形を確認してから現地踏査(開設不適地を回避)、2線形変更等を考慮して50m単位での先行伐採、3バックホウとダンプトラックによる開設です。開設時に工夫している点は?1最小面積での先行伐採(特に道下は極力伐採しない。)、2排水施設は短い間隔で設置、3現地発生の転石を有効利用して路側石積や洗越工を設置(写真1)、4路体の強度を高めるため天地返し等により路盤入替を実施、5岩石地や崩壊跡地等の開設不適地は決して通過しない、6造材や運搬に支障が出ないよう作業ポイントを等間隔で設置等です。●詳しい内容を知りたい方はTEL0576ー52ー311下1呂農林事務所まで自営業青木忠義さん下呂地域の道づくりのプロに学ぶ青木さん作業道開設研修で講師をする青木さん写真1自然石を利用した洗越工MORINOTAYORI9