ブックタイトル森林のたより 782号 2018年11月
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森林のたより 782号 2018年11月
長野満(55)藤原裕規岐阜県本巣市平成28年取材「森の名手・名人」とは、森に関わる仕事や地域生活に染み込んだ営みのうち、優れた技をもってその業を極め、他の模範となっている達人で、毎年、全国で約100名が認定されています。岐阜県においては、現在、50名の「森の名手・名人」が認定されています。この「森の名手・名人」を「森の”聞き書き甲子園“」に参加した高校生が「聞き書き取材」をしたものの中から誌面の関係上要点を抜粋したものです。なお、年齢、住所、学年は取材当時のものです。47森の名手・名人シリーズ佐賀県立伊万里農林高等学校2年名人聞き手1.仕事一つ一つの大切さ30年くらい根尾開発の森林土木科の部署で働いています。根尾開発には、森林土木以外にも、森林整備、素材生産、造園、一般土木など多くの部署があります。根尾開発に入ろうと思ったのは、従兄弟が会社をやってるもんで、人が足らんもんで来てくれと言われて入ったのがきっかけです。僕は今、山に道を作るという仕事で、設計から施工、最初から最後までの段取りを担当していて、現場は下請けさんにしてもらうもんでぇ、役所との打ち合わせをしたり、許可申請をしたり、業者さんを発注したり、施工中の管理でこれはいいよ、あれはだめよ、とかを言ったり、でき上がってから書類の提出とか許可申請などもしています。の中の一環でここに道をつけようか、どうやって木材を出そうか検討しながらやっていったり、他には、森林組合からは、頼まれて道を作っています。道具は主に、重機やバックホーなどや丸太を積んだりする道具などがあります。他にも、山の場所によって使う道具は異なります。主に、仕事をしている地域は根尾地域、西濃地域です。3.今までに手掛けてきた作業道今までに手掛けた作業道は、約75キロくらいで、1年間に多いときは、10キロ~20キロくらいで、少ないときは、3キロ~5キロくらいで、1キロ作るのに最後まですると、半年かかるでぇー。作業道を作る場所はいつも違って、10か所くらいあります。同じ場所で作業道作りがあるときも、それより先とか枝線を出すとかで、現場は、一つ一つ違うもんでぇー、作業道を作る前は、自分で山を歩いて道を決めて行くんでぇー。山も、自分で歩かないと、わからないことも多くって、山によって色々な方法があります。例えば、丸太組工法といって、道路を作っていても雨、雪で路肩が傷みやすいので、路肩の壊れとか、崩壊を少しでもなくすために使う方法です。何年かすると丸太も腐ってしまうもんで10年20年あたりで元の山に戻るのが目的でしている方法です。他にも、洗い越し工といって、金網の中に石を詰めて、水の流れを緩くしたり、水が流れてもその上を流れてきますよっていうやり方です。谷を横断するときに使われる工法で、林道作るなら、他の方法あるんやけど、作業道なら、こっちの方法が良いですね。たまに、ごみとかも流金にも高い安いの違いがあるから、後から困ったりとか、お金も自分で払うわけじゃないので、ある程度、会社にも利益がないと会社もやっていけないので、お金をもらう方はたくさん欲しいし、逆に、払う方は少なくしたいから、その辺の加減が難しいし、そういう人間とのやり取りするのも楽しいですね。2.山に、道を作る仕事の中で、一番している仕事は、山に道を作る(作業道)ということです。山に道を作るとは、全く人が歩く道ではないところに、車とか重機を入れれるようにするということです。そして木材を出したり、森林の管理、作業員さんが歩いて行かないように山に道を作っています。根尾開発は、森林経営計画というのがあって、それ大きい現場になると書類も多くなるので、その辺が面倒くさいですね。書類にかかる時間は、はてしなくというか、いろんな仕事をしてるもんで、役所とか県が要求しているのを、時間で言うと、一つの現場で、およそ1週間~10日くらいはかかりますね。仕事を始めるまでにも1週間から10日かかって、終わってからもそれくらいの時間がかかって、始める前のほうが、1週間ではすまねぇーからなぁ。長かったら1か月くらいかかると思うでぇ。どんな仕事でも言えるんやけど、軌道に乗せるまでが大変なもんで、軌道に乗っちまったらいいんやけど、始めるまでの段取りが色々あるもんで、ただ、道をつけるっていうわけじゃないから、地域住民へのあいさつから始まり、一番問題になるのが、お金やね。お金を払わなきゃやっていけないし、ただ、払うだけじゃだめなんで、お林業(作業道開設等)人生かけての道づくりMORINOTAYORI 12