ブックタイトル森林のたより 782号 2018年11月

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概要

森林のたより 782号 2018年11月

活かす知恵とを森林人71●詳しい内容を知りたい方はTEL(0575)35ー2525県立森林文化アカデミーまで岐阜県立森林文化アカデミー教授●吉野安里木材を使うことが、温暖化対策になる?木材利用の意義…環境問題の側面からのアプローチ技術では二酸化炭素の排出を少なくすることしかできません。では、もっと木を植えたらいいのでは…。今の日本には、森林を伐採しなければ植える場所はありません。そこで、木造住宅に注目です(写真-3)。在来工法の木造住宅10戸分に使用されている木材は、スギ50年生人工林1haの立木材積量(約315m3)に相当します。さらに住宅の寿命を約30年とすれば、その間は木材の形で炭素を保持し続けます。「植える」「育てる」までは社会の関心も高いのですがさらに一歩進んで、木材を「使う」ことで、地球温暖化への貢献とともに林業の成立につながります。木材利用の環境への貢献を評価されれば、林業の社会的、経済的地位の向上のきっかけになります。一方、形成層の外側(師部)に分裂した細胞は、生命を閉じ樹皮となり、乾燥から内部を保護します。この樹皮は防水能力が極めて高く、樹皮がついたままの丸太はなかなか乾きません。●木材とは…えっ死骸なの?木もくほん本類では、幹の樹皮の内側に形成層という部分があり、樹幹ではこの細胞のみが分裂し、肥大成長します(幹が太ります)。形成層の内側(木もく部)では、3~7月頃まで細胞が分裂を繰り返しますが、7~8月には分裂を停止し、強度に耐えられるような構造へと変化します。この分裂した細胞の部分を辺材(へんざい)といい、丸太断面を見ると白っぽく薄い色をしています。しかし間もなく、細胞のほとんどが死んでしまいます。その後、数年間をかけて腐りにくい物質などが細胞の中に蓄積されていきます。丸太断面の中心の色の濃い部分で、心材(しんざい)といいます。心材に蓄積された物質は、樹種特有の色や香りを持っています。私たちは、心材と辺材の部分(木部)を木材として利用しています(写真-1)。●木材を使うことが、温暖化対策になる?地球の温暖化に歯止めをかけるために、空気中の二酸化炭素をこれ以上増やさないことが人類の課題となっています。二酸化炭素の主な吸収源は森林です(写真-2)。省エネルギー写真-1丸太の断面をみる写真-2森林は二酸化炭素の吸収源写真-3木造住宅も第二の森林?MORINOTAYORI 8