ブックタイトル森林のたより 792号 2019年9月

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概要

森林のたより 792号 2019年9月

治山、林道の各研究会では、日頃の業務で直面する課題について、調査・研究を行っています。今年2月に行われた発表会で発表された研究課題を紹介します。平成30年7月豪雨における林道被災状況及び過去の大災害との比較・検証飛騨農林事務所林業課徳川隆之●詳しい内容を知りたい方はTEL0577ー33ー1111内線(494)飛騨農林事務所林業課まで【Aランク】例えば過去に被災した路側構造物の袖部が被災するようなケースです。これは、過去に被災した際の復旧時に申請した延長が真に必要な延長より短かったためと推測されます。災害発生から限られた時間の中でも設計書を十分精査すること、また職員の技術の研鑽が必要です。【Bランク】原形復旧を基本とする災害復旧事業において、再度被災を防ぐための対策までを申請するのが困難なため、通常時の改良事業などで対策するのが相応とみなされるケースです。公共・県単事業の計画策定を行う際、路線選定の参考とします。【Cランク】河川沿いの林道で、河川の増水により路側構造物が被災するようなケースです。線形を見直すなど根本的な対策を講じる必要があります。費用対効果から林道の必要性を含めての検討が考えられます。過去の大災害との比較・検証(繰り返し被災している路線、箇所がある)管内では平成26年8月、平成16年10月にも台風などによる豪雨で大きな災害がありました。今回の災害とこれら2つの大災害で被災した箇所の位置図を重ね合わせ比較したところ、今回被災した51路線の内、26年災で被災した路線が12、16年災で被災した路線が13ありました。さらに、同じ箇所で被災したケースが、26年災で3箇所、16年災で5箇所ありました。繰り返し被災している箇所について分析すると、河川の氾濫や山腹崩壊による被災といった大規模な箇所は少なく、標準的な工法で復旧可能な箇所がほとんどであることがわかりました。こういった繰り返しの被災は、何らかの対策により未然に防ぐ、あるいは規模を低減できると考えられます。被災箇所を対策ランク別に分類し対策を検討そこで、被災箇所を次の3つの対策ランク別に分類することで、対策の検討に役立てることができないか考えました。飛騨農林事務所管内の2市1村の林道の被災状況は左の表のとおりです。平成30年7月豪雨の概要昨年6月末から7月初めにかけて、梅雨前線の影響による豪雨のため、西日本を中心に大災害が発生しました。岐阜県においても、県内に36あるアメダスの観測地点の内、16の地点で72時間の雨量が観測史上1位、3地点では累積雨量が1000ミリを超えるなど記録的な雨量となり、各地で土砂崩れや河川の氾濫が相次ぎ、大きな被害が発生しました。被災直後の林道(飛騨市内)H30年7月豪雨飛騨農林事務所管内林道被災状況Aランク…災害復旧事業で対策可能Bランク…林道事業で対策可能Cランク…林道事業で対策困難市村路線数被災箇所数査定延長(m)査定事業費(千円)全数被災路線高山市275 31 44 1,104 217,659飛騨市115 19 39 1,365 260,307白川村14 1 1 10 1,829計404 51 84 2,479 479,795MORINOTAYORI 12