ブックタイトル森林のたより 792号 2019年9月

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概要

森林のたより 792号 2019年9月

活かす知恵とを森林人80●詳しい内容を知りたい方はTEL(0575)35ー2525県立森林文化アカデミーまで岐阜県立森林文化アカデミー講師●玉木一郎気軽に楽しめる苔玉盆栽でも、それなりの状態を維持することができます。作るのも簡単です。まずは苗を用意します。10―30cmくらいの大きさのもので十分です。苗は樹木に限らず、多年生の草本でも良いです。数ヶ月ほど、ポリポットで養生しておくと、地下部が充実して土をつかむので、作りやすくなります。次に用土を準備します。基本となる土はホームセンターで売っている赤玉土で良いのですが、山の土でもかまいません。これに水とケト土を少し加えて、手で軽く団子状になるくらいにします(ケト土は粒子の細かい土で代用できます。田んぼの土や水たまりの底の泥でもOKです)。用土で根の全体をくるむようにして、形を整えます。最後に、大きめのコケをかぶせて、黒い木綿糸を適当に巻き付けて固定すれば完成です。コケはハイゴケが扱いやすいです。山の日当たりの良い少し湿った斜面で見つかります(苗やコケ、土などを採取してくる場合は、必ず所有者の許可を得て下さい)。過去には、アカデミーの生涯学習や授業で、子供達や学生さん、ドイツからの留学生にも苔玉を作ってもらったことがあります。どうです、簡単そうでしょ?夏の暑さが一段落したら是非トライしてみて下さい。楽しいですよ。盆栽が一般にも広がりを見せていることは確かですが、盆栽の扱いが簡単になったかというと、そうではありません。盆栽を育てていると、毎日の水やりに始まり、芽摘みや整枝、剪定、植え替え、病虫害対策など、山程の手間がかかります。では、盆栽を、もっと気軽に楽しむこと盆栽というと、一昔前は「サザエさん」に出てくる波平さんのような年配の男性がするような趣味という位置づけだったと思います。しかし、現在では、老若男女を問わず、更には海外までもと、裾野の広がりを見せています。お正月のTV番組「芸能人格付けチェック」でも、ワインや牛肉と並んで、価値の高い盆栽の見分けが扱われています(余談ですが、ここで扱われている価値の高い盆栽は、超一流のものなので、完璧なまでに基本を追求した形となっています。ですので、ちょっと基本を勉強すれば、偽物の盆栽と見分けることは簡単です)。私もベランダで小品盆栽を始めて10年以上になります。枯らしてしまった樹も数知れずありますが、初期の頃から作っている樹のいくつかは、今では立派な樹形になっています(写真1)。はできないものなのでしょうか?盆栽のジャンルの一つに苔玉盆栽があります(写真2)。苔玉盆栽は鉢の代わりにコケで根本の土をくるんだものです。普通の盆栽の場合は、枝ぶりが基本からずれていると気になってしまうものなのですが、苔玉盆栽の場合は、なぜか枝ぶりが盆栽の基本にそれほど当てはまっていなくても、コケの雰囲気が良いためか、簡単にそれっぽい雰囲気を出すことができます。最も手間のかかる水やりに関しても、少し水を張ったトレイにドブ浸けしておくだけ写真2作って3年ほどになるイロハモミジの苔玉写真1枝がほぼない状態から作って9年のトショウ(ネズミサシ;左)と実生から作って10年ほどのケヤキ(右)。それぞれ樹高12 cmと13 cmMORINOTAYORI5