ブックタイトル森林のたより 792号 2019年9月

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概要

森林のたより 792号 2019年9月

Q自伐型事業を活用した感想は?日頃から林業が「生業」となるように、と願っているが、なかなか難しい。この県単事業は大変有難く、創設と同時に活用し、平成29年度は保育間伐、昨年度からは搬出間伐に取り組んでいる。良い制度なので木の駅プロジェクトの仲間にもPRした。毎年、補助申請などの書類作成は苦労しているが、関係者に助けていただきながらなんとか実施している。Qえなの森林づくり推進委員会に参加して感じることは?委員会設立当初から林業団体(林業経営者協会)の代表として参加している。林業は、「伐って、(材を)出して、植える」ことが基本であると考えている。今はそれを普通に行うことができないことが残念だが、本委員会には、恵那市の川上から川下までの委員が揃っているので、国内、国際的な市場動向なども踏まえて、地域の課題とその対策を話し合えると良い。また、新たな森林経営管理制度、森林環境譲与税の使途にも関心があり、期待もしている。Q今後の林業経営は?これからの林業は、路網の整備と機械化抜きには語れず、施業を集約化して、効率よく素材生産を行うことが主流である。そこで、恵南森林組合の施業プランナーからの施業提案を受け、所有林の一部(ヒノキ60年生、約1.2ha)について、集約化に参画することを検討している。前回の間伐では、引っ張りだこ(簡易ウインチ)を駆使して、なんとか自分で搬出したが、今回、材は太くなり、自分は歳をとり、自伐、搬出は困難と考えていた。そんな時、タイミングよく昔から懇意にしている施業プランナーから森林経営計画策定の説明を受けた。特に自力による上げ荷集材には限界があり、森林組合への委託を考えている。一方、自分でできる施業は続けていきたい。木の駅プロジェクトも所有者が森林に関心を持ち、地域を元気にする取り組みなので、各地で継続することを願っている。Q今後の抱負は?今後は、約20haの所有林を後継者である同居の長男に引き継ぐことになる。自分は歳を取ったが、幸いなことに休日には、長男が搬出作業などを手伝ってくれるようになった。徐々に小型機械の操作などを教えているところである。その長男は「親父のようにはできないぞ」が口癖ではあるが、定年退職後はそれなりに家業として引き継いでくれると思っている。平成25年度全国林業経営推奨行事において、林野庁長官賞を受賞された恵那市明智町の寺澤俊二さんをご紹介します。受賞後も継続して自伐林家を実践し、地域活動にも積極的に取り組んでいます。Q日々の業務内容は?現在は林業6に対して農業4の割合で年間を通じて従事している。親の代から引き継いだ田、畑(ナス)、山林を仕事の場としている。林業は道づくりから間伐、材の搬出まで自分で行っている。Q林業を始めたきっかけは?若い頃から山が好きで、父親の仕事をよく手伝った。就職してからも土日、休日を利用して造林から保育、所有林の手入れをしてきた。定年退職から本格的に農林業に従事している。父親から引き継いだ所有林を息子に良い状態で渡したい、そういう気持ちでいる。Q木の駅プロジェクトの実施状況は?地元で取り組んでいる「やまおか木の駅プロジェクト」では、実行委員会の副委員長を務めている。どこの地域でもそうだが、当初は競うように出材量が増えるが、人力による搬出作業ではすぐに頭打ちになる。自分は道を作り、小型運材車(やまびこ)を使用しているので最も出材量が多い(H30実績は寺澤さんの260m3に対し、全体で813m3)。地域の人●詳しい内容を知りたい方はTEL0573ー26ー1111内線(305)恵那農林事務所まで寺澤俊二さん自伐林家を実践する林業経営者【恵那農林事務所林業普及指導員大重隆太郎】林業家寺澤俊二さん自ら開設した森林作業道(H29年度開設)寺澤さん(事前調査中)支障木を用いて架橋MORINOTAYORI9