ブックタイトル森林のたより 793号 2019年10月

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概要

森林のたより 793号 2019年10月

普及コーナー岐阜地域(本巣地域)における普及活動~木材生産を始めるために~■岐阜農林事務所田中郁男るため、森林作業道の整備状況など、市職員と現地調査を行いました。その結果、いくつかのエリアについては、森林作業道の開設が困難な箇所があったり、本来生育しているはずの林分の蓄積が少なかったり等、木材生産するには、適地でなかったり、もう少し、間伐の実施を遅らせるべきエリアが見つかり、市職員に対して、「木材生産林」から「環境保全林」への区分変更を検討するよう指導しました。このような結果を反映させ、平成30年度、地域検討会で設定区分について合意が得られ、森林配置計画が策定されました。今後は、森林配置計画で「木材生産林」と位置付けられたエリアでは、間伐や皆伐を進めていく必要があります。岐阜農林事務所管内(岐阜地域)は、岐阜県の南部に位置し、6市3町の9市町からなる地域で、森林を有するのは、岐阜市、各務原市、山県市、本巣市です。今話題の森林環境譲与税、新たな森林管理システムに関することなど、各市町とも手探りな状況です。最新の情報を提供するなど支援していますが、とりわけ、今回は、私が担当する本巣市における「木材生産」に係る普及活動の事例を紹介します。100年先の森林づくり計画(森林配置計画)の策定支援森林配置計画とは、大まかなエリア(林班等)ごとに、長期的な視点と現状を踏まえて将来の望ましい森林の姿を示すものです。策定にあたっては、林業経営に適した「木材生産林」、水源地など保全要素の強い「環境保全林」を基本区分とし、これに重複する形で「観光景観林」「生活保全林」の4つの区分を設定します。本巣市では、市担当者と課題を整理するとともに、市独自基準等の設定等を検討するためのデータの提供や助言を行いました。また、基準等に基づき示された「木材生産林」、「環境保全林」の区分のうち、「木材生産林」については、本当に木材生産が可能なエリアなのか確認すもとす郡森林組合の木材生産に向けた取組支援もとす郡森林組合(以下「組合」)は、これまで保育間伐など森林整備主体の事業を行っており、木材生産については消極的でした。しかし、林齢が高くなってきたことなど保育間伐を実施できる箇所が減少してきているのが現状です。平成30年度、私が異動してきてすぐに、組合職員から、「木材生産にシフトしたいが、どうしたらよいか。」と相談がありました。これぞ、組合の変化の兆しと捉え、木材生産に向けた支援を始めました。が、いくつかの課題に直面しました。一番の課題は、森林施業プランナーがいないこと、経験の浅い職員(具体的には、森林技術者から3か月前に配置転換された職員と市役所を退職後、再就職された職員)しかいなかったことです。そのため、どのように木材生産に取り組むのか、初歩的なところから支援する必要がありました。現地調査MORINOTAYORI 18