ブックタイトル森林のたより 795号 2019年12月

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概要

森林のたより 795号 2019年12月

普及コーナー下呂地域における普及活動■下呂農林事務所林業課林業普及指導員瀧澤嘉男成29年11月(№770号)、平成30年11月(№782号)の普及コーナーをご覧ください。)また、平成30年度には、低コスト施業技術をテーマに主伐・再造林研修を実施しました。今回は、それらの研修に引き続き今年度実施した主伐・再造林研修の概要について紹介します。今年度は、「先進地での取組に学ぶ」をテーマとして、岐阜県内で比較的、主伐・再造林が進んでいる郡上管内の皆伐・再造林施工地に赴き研修を実施しました。講師は、郡上農林事務所の和田林業普及指導員にお願いしました。研修に赴いた皆伐・再造林施工地では、0・45BHベースの車両系作業システムで皆伐を実施していました。特徴的な取り組みとして、森林所有者側の費用負担なしで枝葉等、いわゆるD材を可能な限り搬出していました。また、機械地拵えの実施、獣害防止柵やシェルターを用いず(くくり罠を設置した鹿捕獲あり。)カラマツの低密度植栽を実施していました。今回、研修に赴いた施工地の特徴を換言しますと、車両系作業システムによる大規模皆伐でスケールメリットを求めるだけでなく、各作業での経費削減を併せて実施することで、森林所有者への還元額を確保しているということだと思います。下呂農林事務所管内は、岐阜県の中東部に位置し、下呂市1市からなる地域です。地域の森林面積は、約78千ヘクタールで、そのうち約7割にあたる約55千ヘクタールが民有林です。また、民有林の人工林率は県平均を大きく上回る62%でその約7割がヒノキとなっています。地域の森林整備の担い手として、管内には2つの森林組合と13の林業事業体があり、79名の森林技術者が従事しています。当地域には、林業事業体以外にも、各地区に森林造成組合(森林所有者で組織する組合)があり、その中のリーダー的存在である自伐林家が自己所有林や地域の森林を自ら施業するなど様々な活動を行っています。今回は、当管内における林業普及活動の事例を紹介します。主伐・再造林の推進に向けて下呂管内の民有人工林は、約7割が利用期を迎える一方で、若い森林が少なく森林の少子高齢化ともいえる状況にあります。そのため、将来に渡り森林資源の循環利用を図る上で、適切な伐採と再造林により齢級構成を平準化していくことが課題となっています。下呂農林事務所では、平成29年度に皆伐、植栽をテーマに主伐・再造林研修を実施しました。(詳細は、平今後、下呂管内の林業事業体には、平成29年度から継続実施してきた研修内容を参考として、下呂地域に適した形で主伐・再造林に取り組まれることを期待しています。森林経営管理法等への対応今年度から、森林経営管理法や森林環境譲与税が始まりました。これらの新たな制度の趣旨に則り、下呂市が地域の関係者の協力を得ながら、効果的に施策を講じていく必要があること等から、今年度、主伐・再造林研修の一環として、郡上市、郡上森林マネジメント協議会(以下、「郡上マネ協」とします。)、他県事例、それぞれの取り組みを学ぶ座学研修を実施しました。講師は、郡上市林務課の河合課長、河本主幹、籠原課長補佐、郡上マネ協の樋口事務局長、森林文化アカデ▲皆伐・再造林施工地での研修MORINOTAYORI 14