ブックタイトル森林のたより 796号 2020年01月

ページ
3/22

このページは 森林のたより 796号 2020年01月 の電子ブックに掲載されている3ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play

概要

森林のたより 796号 2020年01月

明けましておめでとうございます。皆様におかれましては、つつがなく新しい年をお迎えのこととお慶び申し上げます。昨年は、元号が平成から令和に改まり、新たな時代が幕を開けました。森林・林業の分野においても、森林環境税及び森林環境譲与税が創設され、森林環境譲与税については、都道府県や市町村への配分が開始されるとともに、これを財源とする「森林経営管理制度」が四月からスタートしました。この制度は、経営意欲の無い森林所有者の森林を市町村が管理委託を受け、意欲と能力のある経営者へ再委託等を行うことで健全な森林づくりを進めるという新たな次元の森林管理システムです。本年は、この森林経営管理制度が二年目を迎え、本格稼働が期待される時期となります。県内には、適正な森林管理が行われていない森林がまだまだあります。初めての試みで、実際の運用では様々な課題が出てくることも想定されますが、今まで手が付けられていなかった森林の整備の推進には非常に有効な制度です。岐阜県の健全で豊かな森林を未来に伝えていくためにも、この制度に大きな期待をしています。さて、岐阜県では、「ぎふ木育」の拠点施設である「ぎふ木遊館」が本年四月に、「森林総合教育センター(愛称:morinos(もりのす))」が本年春にオープンします。県では、平成二十五年度に「ぎふ木育30年ビジョン」を策定し、常設木育広場の認定等県内各地でぎふ木育の拠点整備を進められてきましたが、この二施設の完成を契機としてぎふ木育を一層推進することで、県民の森林・林業に対する理解醸成に取り組むものと聞いています。健全で豊かな森林づくりの着実な推進には、県民の森林・林業に対する理解醸成は不可欠です。「ぎふ木遊館」「森林総合教育センター」の完成が、岐阜県の森林づくりの更なる推進のスタートになることを期待しています。昨年は東北・関東・九州等で豪雨による激甚災害が発生しました。幸いにも岐阜県では大きな災害はありませんでしたが、県民の安全・安心の確保のため、防災・減災対策は更に進める必要があります。県土の八十一パーセントを森林が占める岐阜県においては、治山事業や森林整備の推進による健全な森林づくりがその柱となることは言うまでもありません。当協会といたしましても、国や県に対する制度や予算の充実の要請等を通じて、防災・減災対策としての治山事業や間伐等の森林整備の推進に寄与して参りたいと考えております。森林づくりは、「親が植え、子が育て、孫が伐って利用する」という三代にまたがる息の長い営みと言われています。岐阜県で平成二十七年十月に開催された第三十九回全国育樹祭における「お手入れ行事」では、昭和天皇が植えられ、上皇樣が枝打ち作業を視察された森林で、天皇陛下(当時は皇太子殿下)が間伐されるという三代に亘る森林づくりの姿が全国に情報発信されました。当協会といたしましても、こういった森林づくりの基本を踏まえ、岐阜県の豊かな森林の生み出す多様な恵みを、一◯◯年先の県民も享受できるよう、岐阜県の森林づくりと山村地域の活性化に取り組んで参りますので、皆様の御支援をお願いいたします。結びになりますが、今年一年の皆様のご多幸を祈念しご挨拶といたします。新年のご挨拶(公社)岐阜県山林協会会長日置敏明明けましておめでとうございます。皆様には、健やかに新春を迎えられたことと、お慶び申し上げます。昨年、揖斐川町と共に10月に開催した「令和改元記念揖斐すめらぎの森感謝祭」では、6千人を超える皆様にご来場いただき、森林を次の世代につなげていく大切さを発信できました。また、11月に岐阜市で開催した「ぎふの木フェスタ2019」では、2万人を超える皆様に木の良さや木を使うことの大切さを実感していただくことができました。この場をお借りしまして、ご協力を賜りました関係者の皆様にお礼申し上げます。さて、昨年は4月に森林経営管理法が施行され、森林所有者による経営や管理が行われない森林を適切に整備するため、市町村が仲介役となり、森林所有者と林業事業者を繋ぐ新たな森林管理システムがスタートするとともに、その財源として国の森林環境譲与税の交付が始まりました。しかしながら、このシステムを円滑に運用するには、市町村の事務負担が大きくなることから、県は、森林環境譲与税を活用し、市町村職員の研修や精度の高い森林情報の提供、森林技術者の確保・育成等による支援を行っています。岐阜県の森林技術者数は近年下げ止まりの傾向にあるものの、林業界の発展のためには森林技術者の更なる確保・育成が急務となっていますこ。うした中、県では林業版ハローワーク機能を持つ「森のジョブステーションぎふ」において、求職者と企業のマッチング、新規参入者の支援、通年での雇用の安定化の支援等を行っています。今後は、県外や海外からの参入促進、林業の安全対策を進めることで人材の確保・育成・定着を総合的に進めてまいります。また、昨年も日本各地で台風による山地被害が多く発生しました。特に台風15号・19号では東北・関東・甲信越を中心に、多くの倒木や土砂災害によるライフラインの寸断や家屋被害が発生し、改めて事前防災の重要性について、再認識することとなりました。本県でも、引き続き、豪雨による土砂流出や流木災害等を防止する治山施設を整備するとともに、災害応援協定に基づく緊急対応体制の構築、危険木の除去や間伐による風倒木対策を行い山地防災力の強化を図ってまいりますので、皆様のご理解とご協力をお願いいたします。一方、本県の豊かな森林を守っていくためには、県民の皆様に森林・林業に親しみ、理解を深めていただくことが不可欠です。この取組みの一環として、昨年11月には森林文化アカデミーにおいて「森のようちえん全国交流フォーラムinぎふ」が開催され、全国の森のようちえん実践者約千名が交流を深め、活動を深化させたところです。また、現在、日本初の森林教育に関する総合教育施設である森林総合教育センター(愛称:morinos(もりのす))の建設を森林文化アカデミーで進めています。本施設は森林教育の先進国であるドイツの施設「ハウス・デス・ヴァルデス」をモデルとしており、現在、教育プログラムを試行中です。さらに、幅広い年齢層の方が木に親しみ、森林とのつながりを体験できる木育の拠点施設となる「ぎふ木遊館」を岐阜市のぎふ清流文化プラザ西側で建設中です。両施設とも今春に開館予定であり、両施設が連携し、ぎふ木育の更なる普及を図ります。木材の需要面では、新たな需要の創出に向け、新用途開発への支援や、首都圏・中京圏はもとより、韓国・台湾といったアジア圏に向けた販路拡大を支援しています。県産材製品の輸出量は近年、右肩上がりとなっており、今後も積極的な販路拡大に努めます。また、いよいよ7月に東京オリンピック・パラリンピック競技大会が開幕しますが、会場の各所で岐阜県産材が使用されることが決定しています。選手の皆さんの交流施設である「選手村ビレッジプラザ」へ岐阜県と県内6市町村より木材を提供しているほか、新国立競技場の屋根の一部にも岐阜県産材が使用されます。このような取組みを通じて引き続き県産材の魅力発信に努めてまいります。結びになりますが、本年が岐阜県の森林・林業・木材産業の飛躍の年となりますよう祈念申し上げ、年頭のご挨拶とさせていただきます。年頭のご挨拶岐阜県林政部長荻巣雅俊MORINOTAYORI3