ブックタイトル森林のたより 799号 2020年04月

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概要

森林のたより 799号 2020年04月

活かす知恵とを森林人87●詳しい内容を知りたい方はTEL(0575)35ー2525県立森林文化アカデミーまで岐阜県立森林文化アカデミー●長沼隆地域課題解決に向けた市町村連携(Win・Winの関係構築)様々な活動の講師や相談対応などの支援、さらには教員の専門分野に関連する受託事業として各市町村の抱える特定課題の解決策の実施に取り組んでいます。こうした中、新たに本年3月には、林業地である白川町と新たな森林管理時代における森林利活用(森林サービス産業)の実現を目指し、森林境界明確化や古民家再生に取り組む包括的協定を締結しました。また、4月には「広葉樹のまちづくり」を掲げる飛騨市と協定を締結し、広葉樹を活用する人材育成やドイツ・ロッテンブルグ林業大学とも連携する広葉樹施業(将来木施業)の共同研究などに取り組んで行きます。また2020年度からスタートした森林環境譲与税を活用して、アカデミーに入学する学生への奨学金制度を創設する市町村が増えつつあります。過疎化と少子高齢化による人口減少対策に悩む市町村が、森林技術者等の育成・確保と併せて移住定住対策にもつながるよう、卒業後に市町村管内へ就業することを条件に授業料等を助成するものです。アカデミーの入口(学生確保)・出口(県内就職)対策にもつながることから市町村・アカデミー双方にメリットのある施策として期待されます。今後も関係者と密接に連携を図りながら地域の課題に対応し市町村と森林文化アカデミーによるWin・Winの関係を築いて行きます。森林文化アカデミーでは、地域課題の解決に向け市町村との連携を進めています。2020年2月現在、県内4市町(美濃市、揖斐川町、美濃加茂市、中津川市)、県外1市(豊田市)の計5市町と連携協定を締結しています。今回は連携協定の特徴と今後の展開について紹介します。市町村連携の特徴【美濃市】2012年3月締結、3年毎更新。森林文化アカデミーの地元である美濃市が目指す「オンリーワンのまちづくりの推進」に向け、これまで道の駅「にわか茶屋」建設、「ウッドスタート事業」木のおもちゃ製品開発、子ども創造館・公民館活動、廃校を活用した木工房拠点づくりの支援のほか、美濃市の森林管理委員会委員長にアカデミー教員が就任するなどの連携を行っています。【揖斐川町】2016年3月締結、2年毎更新。2015年10月に開催した「第39回全国育樹祭会場跡地の活用」をはじめ多様な分野での包括連携として、育樹祭会場の御席解体材の活用検討や「いび森のようちえん・こだぬき」(2018年設立)、徳山ダム上流の森林調査、個業(スモールビジネス)の取組支援を行っています。【美濃加茂市】2016年8月締結、協議の上2年限定で延長。美濃加茂市が「里山千年構想」で目指す里山風景を後世に残すため、里山の再生・活用の様々な連携協力を行っています。その一つとして、市域に生育するアベマキを活用した取組「アベマキ学校机プロジェクト」はウッドデザイン賞2015の優秀賞(林野庁長官賞)やキッズデザイン賞2018を受賞しています。【豊田市・豊田森林組合】2018年3月締結。広域合併により矢作川上流部の広大な森林を抱えることとなった豊田市の森林・林業の担い手を育成するため、2018~2019年度の2ヵ年かけて豊田森林組合の森林技術者6名の育成研修を受託しました。また、豊田市森林課の職員がクリエーター科に入学し、林業専攻で地域林政のリーダーとなるべく本学の現地現物主義の勉学に励んでいます。【中津川市】2019年4月締結。東濃桧の産地として古くからの林業・森林文化が息づく中津川市において、リニア新幹線開通を見据え複眼的視点で森林からの恵みを享受できる社会の実現を目指し、リニア駅周辺整備の木材活用研究、古民家改修プログラムの実施や地域の森林文化を伝承する森林学習などの取組支援を行っています。市町村連携の今後の展開これまで連携協定に基づき、森林文化アカデミー教員等が各市町村へ出向きMORINOTAYORI 16