ブックタイトル森林のたより 799号 2020年04月

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概要

森林のたより 799号 2020年04月

国有林の現場から42国有林における多様な森林への誘導についてきるだけ有用広葉樹を保残する。●試験地の設定各森林管理署等において「人工林から多様な森林への誘導」を目的としたモデル林を選定し、試験研究機関と連携をした現地検討等を実施しています。岐阜森林管理署管内では、中部森林管理局森林技術・支援センターとの協働により、「人工林において天然力を十分に活用し、多様な森林へ誘導するとともに、造林の低コスト化技術を確立する」ことを試験目的に、下呂市大洞国有林188い林小班に試験地を設定して経過観察を行っています。当該試験地は、昭和7年にヒノキ2,600本/haを植栽していますが、ミズナラ、ミズメ、ホオノキ等の有用広葉樹が侵入しています。光環境を改善することで広葉樹のさらなる侵入を促し、針広混交林へ誘導するため、平成29年度に列状間伐1伐2残を実施しました。今後、県森林研究所、森林文化アカデミー等有識者の意見を伺いながら、多様な森林への誘導を進めていきたいと考えています。(岐阜森林管理署)?主・間伐1立木販売において、高木性有用樹の小径木や稚幼樹の保残を約定するとともに、実施を指導徹底する。2製品生産事業において、仕様書、特記仕様書の順守徹底や選木基準等を説明、指導監督する。3間伐期間は原則10年であるが、人工林内の稚幼樹が成長する照度確保のため、試験的に5年以上で実施可能とする。?更新地拵は、残し筋部分への有用広葉樹の生育を図るため、筋刈とする。また、残存木の樹冠の占有区域は植栽面積から除外する試行を行う。?保育下刈、除伐において、残し幅の中の有用広葉樹の伐採(いわゆる「筋つぶし」)を行わない、有用広葉樹と造林木が競合する場合は、で▲有識者を交えた現地検討▲プロット設定による経過観察平成28年に策定された森林・林業基本計画において、多様で健全な森林づくりに向け、国有林が先導して育成複層林化等の取り組みを進めることとされました。このため、中部森林管理局においては、立地条件等を勘案し、将来的に天然力の活用が有効と判断される森林において、高木性有用樹の保残や天然生稚幼樹の育成を図ることにより、針広混交の育成複層林への誘導を図っていくこととしています。●具体的な取り組み具体的には、国有林野事業の各工程において、以下のような配慮を行うことにより、天然力の活用を図っていくこととしています。?収穫調査収穫(木材生産)を予定する箇所の有用広葉樹の取扱いを検討し、その後の事業執行に反映させる。MORINOTAYORI 20