ブックタイトル森林のたより 800号 2020年05月

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概要

森林のたより 800号 2020年05月

森林研究所●田中健斗●詳しい内容を知りたい方はTEL0575ー33ー2585森林研究所まで「ぎふの木で家づくり支援事業」補助対象住宅の横架材利用状況おわりに横架材の寸法が大きくなるにつれ、強度が高く、大きな梁せいを確保できる外材や集成材などの割合が増加することが分かりました。これらを県産の無垢材や集成材などに置き換えることができれば、県産材の利用率はさらに増加すると考えられます。そこで現在、県産製材を貼り合わせて製造する接着重ね材に関する研究を行っています。はじめに平成27年版森林・林業白書によれば、現在、国内の木造軸組住宅に使用される横架材(梁、桁など)は、外材の割合が非常に高く、製材、集成材等を合わせて9割以上を占めています(図1)。国内の木造住宅の横架材にもっと国産材が使用されれば、木材自給率の向上や、国内木材産業の発展につながります。ぎふの木で家づくり支援事業現在、岐阜県林政部県産材流通課では、住宅を新築または改修する際、岐阜県産材を構造材又は内装材に一定以上使用した施主に対し助成を行う「ぎふの木で家づくり支援事業」(以下「補助事業」)を行っています。補助事業の対象となる条件は、「ぎふ性能表示材」を構造材に80%以上かつ横架材に6m3以上使用することです。調査の目的補助事業の対象となった住宅は一般の住宅に比べ岐阜県産材が多く使用されていると考えられます。そこで、補助対象となった住宅で、県産材が横架材としてどの程度使用されているのかを明らかにするため、構造材に指定されている梁・桁材の樹種および材長、梁せいを調査しました。調査対象とした住宅は、平成29年度に補助事業の対象となった、県内・外の新築木造軸組住宅223棟です。県産横架材使用状況図2に、補助対象住宅の梁・桁材の樹種別使用割合を示します。「ぎふ性能表示材」であるスギ・ヒノキ製材の使用率は95%以上を占めていました。その他では、集成材、カラマツ、ベイマツなどが使用されていました。図3に、材長・梁せいごとの樹種別使用割合を示します。材長が5mを超えるとスギ・ヒノキに代わって、集成材やベイマツ等の割合が増加することが明らかになりました。また、梁せいについても、36cmを超えると同様の傾向が見られました。図1木造軸組住宅における部材別木材使用割合図2梁・桁材の樹種別使用割合図3材長・梁せいごとの使用樹種割合MORINOTAYORI13