ブックタイトル森林のたより 800号 2020年05月

ページ
16/18

このページは 森林のたより 800号 2020年05月 の電子ブックに掲載されている16ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play

概要

森林のたより 800号 2020年05月

国有林の現場から43ニホンジカ食害防除対策の難しさ?侵入防止柵の撤去作業?m×15mの小ロットの侵入防止柵を2種、さらに周囲を囲むように立木使用網を延長約150mにわたり設置してありました。ニホンジカの「防除」資材の撤去作業は、国有林職員においてもあまり経験のないものであることから、今回は、14名もの大人数による人海戦術を採用しましたが、写真のとおりかなりの〝苦戦〟を強いられました。特に、斜め張りネット(いわゆる埼玉方式)は、その特徴であるシカの脚への絡みが、撤去作業をする職員の転倒誘因に直結するため、慎重な作業を行う必要がありました。また、当該箇所独特の事情として、平均傾斜が33度、車道からも離隔しているため、撤去した防護資材を〝背負って〟搬出する必要もありました。「防除」資材の撤去作業の大変さについても、ニホンジカ食害防除対策の課題の1つとして、民有林の皆さんにも、是非知っていただきたいと思います。(岐阜森林管理署)地をまとめて防護できることや、植栽木との接触を回避でき成長阻害のリスクが小さいことから、国有林でも多くの採用事例があります。ところで、植栽木が大きく成長した後、これらの「防除」に使用した資材は、そのまま林内に放置しておいてよいものなのでしょうか?●侵入防止柵を撤去する今般、岐阜森林管理署が管理経営する七宗国有林において、過去に設置されたニホンジカ侵入防止柵を撤去する機会がありましたので、紹介します。当該箇所は、中部森林管理局森林技術・支援センターが、ニホンジカ防除対策の比較検証等を行う目的で設置した0・49ヘクタールの試験地ですが、別箇所に同様の展示エリアを新設した関係で、閉鎖し撤収を行う必要がありました。同試験地には、各種の幼齢木保護資材のほか、約25▲苦戦する「斜め張りネット」の撤去▲撤去した防護資材を〝背負って〟搬出▲撤去作業を実施した旧・シカ対策試験地これまで、ニホンジカ食害防除対策については、「防除」と「捕獲」、いわば守りと攻めの効果的な組み合わせによる取り組みを模索していくことが必要ではないかと述べて参りました。ニホンジカの「防除」策としては、忌避剤や幼齢木保護資材といった「単木的対策(一本ずつ守る方法)」のほかに、侵入防止柵に代表される「面的対策(対象地域全体を守る方法)」があります。後者の手法は、広範囲の植栽▲「立木使用網」の撤去状況MORINOTAYORI 16