ブックタイトル森林のたより 802号 2020年07月

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概要

森林のたより 802号 2020年07月

活かす知恵とを森林人90●詳しい内容を知りたい方はTEL(0575)35ー2525県立森林文化アカデミーまで岐阜県立森林文化アカデミー教授●吉野安里配信動画で授業をする…しは改善できたのでしょうか。学校再開へ六〇分の長い動画になりましたが、好きな時に視聴し、休むことも、繰り返すことも、早送りもできます。本当に何回も見ていただけました。学びや知識の欲求に対して満たされない“知的飢餓状態”にあったのでしょう。学校が再開されたら、それぞれ専門の授業で掘り下げた内容を学ぶことができます。考えたり、調べたり、行動するきっかけとなれば、私の動画は成功ですね。緊急事態宣言下で新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言により、学校での授業ができなくなりました。いつ再開されるか見通せない状況が続きました。そこで森林文化アカデミーでも遠隔授業をはじめることになりました。各教員が、自分の専門分野を語る授業があるのですが、試行的に動画配信をすることになりました。ようこそ、木材の世界へ私の専門分野は木材利用です。木材について2つの話題を用意しました。まず木材とは何か。草の茎と樹木の幹とは何が違うのか。どのように成長し、どのような、仕組をもって、どのような機能を発現しているのか…中学校でも高校でも授業で木材の発生についてあまり触れられていないようなので、生物として見た木材を話してみようと思いました。もうひとつは、社会の状況と林業・木材産業の状況です。戦前から戦後は、森林の酷使、木材不足と粗悪品の横行。高度成長時代は、外国産の木材への依存、ヒトと森林のつながりの低下、放置森林の荒廃化。近年の、国産材合板、木質バイオマス発電、住宅着工数、海外への木材輸出の動き。そして、現在は、川上~川中~川下の連携が林業のテーマになっていて、川のどこかに軸足を置いて全体を俯瞰できる人が求められていますよ…ということを伝えたいと思いました。以上で話の骨組みはできたので、さっそく動画撮影です。無観客試合?授業も講演も学会発表も“生き物”です。受け手の反応を感じ、質疑応答の“やりとり”があります。動画撮影では聞き手の反応が全くありません。“無観客試合”とはこういうことなのか。自分の動画を見ると、どのような話し方をしているのかがよくわかります。説明を丁寧に、誤解をまねかないようにと、安全第一に徹した話し方になっていて、表情が硬く、逸話もぎごちない。話のリズム感が乏しく、活舌も悪い。あまり魅力がありません。本当に聴衆はいないのか?あるアメリカのラジオパーソナリティが語っていました。「自分の目の前に、相手がひとりいると想像し、その人に温かい気持ちで語り掛ける。多くの聴衆が、自分に直接語りかけてくれると感じてもらえたならば、うまくいっている。語り手と聞き手が一対一であることが大切である」と。・・・なるほど、私も挑戦してみます。みんな家の中に閉じこもった状況にいます。少しでも、面白さや、考えるきっかけになるように、意識して、見えない聞き手に語りかけてみました。さて、少MORINOTAYORI5