ブックタイトル森林のたより 804号 2020年09月

ページ
16/18

このページは 森林のたより 804号 2020年09月 の電子ブックに掲載されている16ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play

概要

森林のたより 804号 2020年09月

国有林の現場から47飛騨・乗鞍山麓五色ヶ原コース最後には、轟音を響かせ流れ落ちる横手滝と伏流水が崖を這うように流れ落ちる布引滝が一日の疲れを忘れさせてくれます。●【ゴスワラコース】~巨木の森へ原生林を歩く~このコースは、シラビソコースの中間点にある岩魚見小屋を起点に、約9000年前の乗鞍岳の大規模な火山活動の際に、権現池の火口から流れた溶岩流の上に広がる森を通ります。「ゴスワラ」とは、溶岩が幾重にも重なり合って形成された溶岩台地を表す高山市丹生川町の方言であり、貴重な原生林、長い年月をかけて生育する苔や木々の風景、川床の色が異なる渓流、優美な滝などがみられるコースです。(飛騨森林管理署)り、乗鞍岳の裾野を北から南に横断するもので、途中には、過去の乗鞍岳火山活動の際に流れ固まった溶岩からなる落差160m池之俣神興滝を始めとする4つの大きな滝があります。それぞれの滝は、姿も水量も異なり、受ける印象も豪快であったり、神秘的であったり変化に富んでいます。コース自体は、樹林帯の中を通る見晴らしのきかない登山道ですが、急に空間が広がり目の前が開け大きな滝が目に飛び込んでくる感動は印象的です。●【シラビソコース】~神秘の池と伏流水の滝~このコースは、1410mの出会い小屋を起点に、前半は登り、後半は下り、時計回りに一周して出会い小屋に戻ります。季節や降水により満水と枯渇を繰り返す不思議な池や湧き水を集め苔むした岩の間を流れる沢など、乗鞍岳の恵みが織りなす変化に富んだ水風景が印象的です。オオシラビソ、コメツガなどの針葉樹が主体となり、可憐な花を咲かせるウスギヨウラクなどの山野草も多数生育しています。また、乗鞍岳を源とする多くの渓流と滝、池、湿原、さらにツキノワグマやホンドリス、オオルリやコマドリなど野生動物が生息し、四季折々、自然の多彩な表情を見ることができます。また、五色ヶ原は、豊かな森を縫うように豊かな水があふれ、切り立った溶岩台地からは、数々の瀑布の轟音が響き、雄池が輝き、日々刻々と表情を変える景色により秘境と呼ぶにふさわしい景観をさらに魅力のあるものへと演出してくれます。この秘境に設定された3つの散策コースを紹介します。●【カモシカコース】~溶岩を登って下って滝巡り~このコースは、標高1360mの五色ヶ原の森案内センターから始ま北アルプス乗鞍岳北西山麓に広がる五色ヶ原は、中部山岳国立公園の南端にあたる約3000ha(乗鞍国有林721haを含む)の広大な森林地帯です。飛騨森林管理署は、この地域を「乗鞍岳生態群集保護林」に指定し、森林生態系からなる自然環境維持、野生生物や遺伝資源の保護、学術研究に役立てることを目的に、亜高山地帯から高山地帯に分布する植生や乗鞍岳山麓に広がる地形・地質から成り立つ生態系や景観を保護しています。また、保護林に含まれる五色ヶ原は、「多様な活動の森」として高山市と協定と結び、一緒に保護と利用の両立に取り組んでいます。このため、五色ヶ原の自然や地形を塾知した認定ガイドの同行がこの地域への入林の条件となっています(お問い合わせは「五色ヶ原の森案内センター」)。五色ヶ原は、山地帯から亜高山帯にわたり、ブナ、ミズナラ、サワグルミなどの落葉広葉樹林、シラビソ、布引滝ゴスワラの森MORINOTAYORI 16