ブックタイトル森林のたより 804号 2020年09月

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概要

森林のたより 804号 2020年09月

るようインパクトがある映像を選択した。・建築基準法は最低限の基準であり、工夫で「倒壊・崩壊は避けられる」という耐震化例も表示し、講ずる手はあるので、あきらめないことも加えた。?効果検証作成した「見える化」資料の効果を検証するため「住まい手」34名を対象に提示した。77%が資料を見て「耐震性への考えが変わった」と回答し、「地震時にこの家にいたことを想像するとぞっとする」などの感想があった。「作り手」20名に提示したところ、「住まい手さんも耐震改修をやろうという気になる」、「作り手にも有用な資料」等の感想を得た。調査に協力いただいた5自治体の担当者からは「活用できないか検討する」、「児童生徒向けのシミュレーション動画も作って欲しい」等、前向きな感想や意見があった。?耐震化促進策の利活用作成した「見える化」資料を利活用するためには、組織力と信頼性があり、住民との接触機会が多い自治体を通じて利活用を進めることを考えた。そこで、調査をした5自治体にに届く啓発や費用補助等の支援を継続的に行うことが必要であると考えた。4.耐震化促進策の作成・検証?耐震啓発資料の作成解析結果の動画を基に、耐震啓発のための「見える化」資料を次のとおり作成した。・コンピュータによるスライド資料とした。・「住まい手」が耐震化を意思決定することが第一であり、まずは耐震診断を受診することを強調した。・複数地震による倒壊シミュレーション動画を用いて「我が家が倒壊するのは怖い」と感じられ?「作り手」建築関係研修や建築イベントに参加した建築実務者60名を対象に調査の結果、大地震が来ると築浅の住宅でも倒壊・崩壊の恐れがあると認識しており、耐震化へ努力されていた。特に、施主である住まい手へ耐震化の必要性を説明することが難しく、苦労されていた。?「自治体」東海三県および岐阜県内2市の耐震化推進部署にインタビュー調査を行った結果、令和2年度中に耐震化率95%という国を挙げての目標に対して、補助金等の支援や全戸訪問など地域事情に応じた啓発活動を推進していたが、住民の心に届きれておらず、かつ、目標に対して現実との乖離が大きく、あきらめ感があることも否めない。?ステークホルダーの課題耐震化を促進するためには、1「住まい手」は耐震性の重要性を理解すること、2「作り手」は取り組む耐震性向上策を住まい手にわかりやすく伝えること、3自治体は住民の心対して、利活用される旨の提言書を作成し、2019年11月に説明のうえ提出した。また、本学H?Pにも掲載した。5.その他韓国の建築実務者団体である韓国木造建築協会の会長はじめ会員13名を訪問する機会があったため、「見える化」資料を提示した。77%が資料を見て「耐震性への考えが変わった」と回答し、「変わらない」と答えた方全員が「既に知っていた内容」と回答した。このことから、「見える化」資料は国内に居住する外国人にとっても、住宅の耐震性の理解に寄与できると考える。日6.まとめ本は地震国であり、住宅の耐震化は最重要課題である。木造住宅の耐震化技術は優れており、耐震化促進の決め手は、施主である「住まい手」が耐震性に関心を持ち、耐震化へ意思決定をすることである。そのための啓発資料を作り上げた。今後は時宜に応じて作成した「見える化」資料のさらなる充実を図りつつ、工務店での設計実務に携わる中、資料を活用して「住まいの安全・安心」に寄与してまいりたい。図6「見える化」資料(一部分)図7耐震啓発資料の検証図8韓国木造建築協会での検証図5自治体への調査図4作り手への調査MORINOTAYORI7 MORINOTAYORI