ブックタイトル森林のたより 808号 2021年1月

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概要

森林のたより 808号 2021年1月

●詳しい内容を知りたい方はTEL0576ー52ー3111下呂農林事務所まで治山、林道の各研究会では、日頃の業務で直面する課題について、調査・研究を行っています。昨年2月に行われた発表会で発表された研究課題を紹介します。?門洞地区における災害復旧事業の課題と対応について?下呂農林事務所鍋倉賢二(治山係)にて土のう設置等による水路周辺の安全確保を行い、農林(農地整備係)によって水路の復旧工事が行われた結果、農業の繁忙期である4月までに復旧することができた。そして、治山施設の復旧については、水路の復旧工事の終わりを見据えながら治山工事を発注することで、水路の復旧工事が終わった直後に治山施設の復旧工事に着手できたため、治山施設の早期復旧・地域の安全確保に貢献できた。まとめ門洞地区の復旧に際して、複数の事業者が関わる中、定期的に調整会議を開催し、事業者間で密に連携することで、対策範囲・対策工事の調整、及び重要施設の早期復旧が実現できた。特に、農林・土木・市(農林部、建設部)については、同じ総合庁舎内に事務所があるため、迅速に連絡調整ができた。一方、今回の災害では、農林では緊急対応できる体制がなく、被災地の土砂撤去に時間を要するという課題も見られた。そのため、令和元年度に建設業協会と災害応援協定を締結し、緊急対応のための体制づくりを行った。今年度の7月豪雨の際にも下呂市は被災したが、この協定を市内4箇所で活用することで、迅速な土砂撤去等の対応が実現できた。今後も非常時にはこの協定を活かし、より効果的な地域の安全を確保していく。復旧対策の展開門洞地区には前述のとおり各種インフラ等が集まっており、復旧対策に際しては農林・土木・市・JRで調整が必要であった。まず、災害発生の翌日に各事業者が現地へ集まり、土砂撤去の範囲の分担や今後の復旧方針の基本事項を確認した。そして7月11日に調整会議を開催し、各事業者の対策範囲・対策工事の内容を確認した。さらに、8月1日に2回目の調整会議を開催し、その後も定期的に調整会議を開催することで、事業者間で密な連携をとることができた。また、被災したJR高山本線・萩原中央用水・治山施設は、地域の重要な施設であり、早期復旧が求められた。災害発生の翌日から土木・市・JRによって、線路周辺の土砂撤去を優先的に進めた結果、7月12日にJR高山本線の運行が再開できた。次に萩原中央用水については、農林災害の概況平成30年6月29日、前々日から降り続いていた雨により、幅30m長さ400mにわたる土石流が門洞地区で発生した。この災害により、JR高山本線と萩原中央用水は寸断され、既設の治山施設が流出した。さらに、家屋4戸へ土砂が流入し、萩原町上呂地域の90世帯に対して避難指示が出された。はじめに平成30年6月の梅雨前線豪雨により、下呂市萩原町上呂の門洞地区において土石流が発生した。この災害に対して、下呂農林事務所(以下、農林と表記)では下呂土木事務所・下呂市・JR東海(以下、土木・市・JRと表記)と連携を図りながら、復旧工事に取り組んでいる。今回の発表では、各事業者間の復旧方針の調整や実際の取り組み、直面した課題について報告する。門洞地区について門洞地区にはJR高山本線、国道41号線が通っており、地域の重要な交通基盤となっている。また、山裾には萩原中央用水が流れており、地域の重要な用水として受益面積51ha、受益者数259戸を賄っている。さらに、門洞地区を含む萩原町上呂の地域には280世帯891人の住民が住んでいる。萩原町上呂の位置図災害状況写真MORINOTAYORI 16