ブックタイトル森林のたより 808号 2021年1月

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概要

森林のたより 808号 2021年1月

普及コーナー専門技術者研修「広葉樹の森づくり研修」の開催■岐阜県立森林文化アカデミー森林技術開発・支援センター杉田勇人&施業提案シート」を使って、現況の調査、目標林型、今後の施業方針等の検討を行い、講師を交えて意見交換を行いました。研修実施状況【第1回研修】8月19日、美濃市内の県森林研究所で講義・実習、演習林で現地実習を開催しました。講義では、横井教授から広葉樹の特性や用途など基本的な知識と「広葉樹の森づくり」の技術についての説明をしました。具体的には、「広葉樹の森づくり」の目的と目標を明確にしたうえで施業を行うこと、エビデンス(根拠)を持って現場対応すること、広葉樹の更新伐や除伐、間伐の考え方とその手順などの説明がありました。また、室内の実習では、樹木図鑑の使い方を解説した後に、数種類の特徴のある葉の同定作業を行いました。演習林での現地実習では、人工林皆伐跡地における更新状況について観察し、稚樹の名前や特性を確認しました。また、林道沿いの広葉樹の樹種同研修の背景岐阜県は全国有数の森林県であり、民有林の約43%を広葉樹林が占めています。広葉樹林は未利用資源の宝庫ともいわれています。これらを的確に整備することで資源価値を高めることができ、また、適度に収穫・利用しながら育成することができます。しかしながら、広葉樹林の施業技術が十分に認識されていないことから、広葉樹施業にかかわる林業技術者にとって、その技術を身につけることは喫緊の課題となっています。研修の目的「広葉樹の森づくり」に対応できる人材を養成するため、県では平成30年度から本研修(広葉樹の森づくり研修)を開催しています。また今年度から広葉樹施業に対する県の支援制度を拡充し、広葉樹林の施業に対する助言者として、当研修の修了者を位置付けています。この研修では、広葉樹林の管理に必要な知識(技術の基礎となる科学的知見等)や施業技術の基礎(樹種の同定能力や施業・作業の考え方)を身につける内容としています。講師は、各回とも、当森林文化アカデミーの横井秀一教授と森林研究所の大洞智宏専門研究員です。県内の林業事業体、市職員と県職員の併せて15名の参加がありました。研修の進め方第1回と第2回の前半は基礎的な知識や技術を習得するための講義、現地実習を行いました。第2回後半以降は、受講者が関わる事業地を実習地として選定し、「診断定や生育状況について解説がありました。【第2回研修】9月17日、県森林研究所が管理している高山市の荘川広葉樹総合試験林と、隣接する共有林で、現地実習を行いました。試験林では、30年以上経過した広葉樹人工造林地(カツラ、ケヤキ、クリ)の生育状況を比較し、樹種の違いによる適地適木を意識することや、下刈りの省力化などについて説明がありました。また、用材生産を目的とした場合は、枝下高の高さがポイントとなることなど用材の仕立て方等について解説がありました。その他同試験林内の強度に除伐をした試験地や、約90年生の大径木を残しブナを植栽したブナの樹下植栽箇所等を観察し、広葉樹林施業について理解を深めました。隣接する共有林は、100年生前後の高齢級の広葉樹林で、ミズナラ、ウダイカンバ、イタヤカエデ、ホオノキ、クリ等が生育していました。100年生の広葉樹を家具材として利用する場合、どのように施業を進めるか検討しました。今回、研修で初め▲第1回研修(樹種の同定作業)▲第2回研修(荘川広葉樹総合試験林)MORINOTAYORI 18