ブックタイトル森林のたより 808号 2021年1月

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森林のたより 808号 2021年1月

●詳しい内容を知りたい方はTEL0575―35―2535岐阜県立森林文化アカデミー森林技術開発・支援センターまで11月11日と12日に林業事業体等を対象に、林業のデジタル化に向けたGNSS(※1)測量研修会を企画、開催しました。林業の測量はコンパス測量が主流で、複数の人員が必要で手間がかかることや測量成果を地図上に正確に反映できない課題がありました。そこで、1人で測量が可能で測量成果を簡単にGISに反映できるGNSS測量を普及しようという取組です。GNSSとは人工衛星によって地上の現在位置を決定する衛星測位システムの総称で、有名なGPSはアメリカが開発したシステムでGNSSの一つです。GNSSはGPSを含む複数の衛星測位システムを併用して利用するので、センチ単位のより精度の高い測量が可能です。研修会は森林文化アカデミーの演習林で測量機器の操作説明及び実習を行い、測量したデータを地図に反映するためのQGIS(※2)の基本操作等を学びました。測量機器は10万円程度で購入できることから、参加者からは「導入したい」、「森林整備事業等との連携を進めてほしい」などの意見が聞かれました。森林文化アカデミーではGNSSを測量だけでなく、森林技術者の労働安全、木材生産管理のツールとしても活用していく方針です。※1Global Navigation SatelliteSystem(全球測位衛星システム)※2オープンソースの地理情報システム(GIS)スマート林業通信?GNSS測量研修会を開催●詳しい内容を知りたい方はTEL0575ー35ー2535森林文化アカデミースマート林業推進係までGNSS測量QGISの説明【第4回研修】11月18日、加茂郡川辺町と美濃加茂市内で開催しました。広葉樹の有効活用の一つであるシイタケ原木生産がテーマとなりました。川辺町の実習地では、実際にシイタケ原木林を造成し、シイタケ栽培をしている受講者から、クヌギ人工林やコナラ・アベマキの萌芽更新の生育状況やその苦労話を伺い、現地の状況を観察しました。講師からは、シイタケ原木林は15年から20年サイクルで利用可能で、萌芽更新が期待できることや、コナラ等の萌芽更新の目安は、林齢に加えて幹の太さも判断基準にするとよいとの説明がありました。美濃加茂市の実習地は、林齢70年生以上の広葉樹林で、以前はシイタケ原木林として活用されていました。現在、広葉樹林も含め、一体的な森林経営計画の作成が検討されています。講師から、確実に更新するため、土砂移動を抑えることが重要であり、伐採した樹木を土留めとして設置し、コナラの実生による更新を促す方法や、斜面の安定性やコナラの株数が少ないことを考慮し、施業しないことも選択肢の一つになるなどのアドバイスがありました。おわりに研修を修了した受講者のみなさまについては、広葉樹施業の実践者及び助言者として活躍していただくことを期待しています。次年度も、広葉樹施業について指導できる人材を養成するために、当研修を続けていく予定です。て診断&施業提案シートを使うため、講師から受講者に問いを投げかけながら実習を進めました。家具材として使えるのか、皆伐をするのか抜き伐りとするのか、どのように伐倒し、材を搬出するのか、伐採後の更新をどう考えるかなど、検討する項目は多岐に渡りました。講師からは、様々な条件を多角的に検討し、適切な施業方法を決定することや所有者の意向を踏まえ、施業提案できるよう意識することなどの助言がありました。【第3回研修】10月16日、郡上市で、開催しました。実習地は、集落に隣接する区域で、人工林の伐採跡地が長年放置されていたため、景観保全を目的に、地域住民によって花の咲く木などが植栽された場所です。天然更新したクリ、ホオノキ等が大きく生長し植栽したサクラ、イロハモミジを覆っているため今後どのように管理していくか検討しました。また、7年前に修景目的で育成天然林整備をした箇所をケーススタディとして検討しました。▲第3回研修(意見交換)MORINOTAYORI19