ブックタイトル森林のたより 808号 2021年1月

ページ
3/22

このページは 森林のたより 808号 2021年1月 の電子ブックに掲載されている3ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play

概要

森林のたより 808号 2021年1月

明けましておめでとうございます。皆様におかれましては、つつがなく新しい年をお迎えのこととお慶び申し上げます。昨年は、新型コロナウィルス感染症とその防止対策により県民の生活は大きな影響を受けました。様々な活動自粛により経済活動が低迷したことに起因する木材需要の減速から、森林・林業にも大きな影響がでており、間伐等森林整備の遅れが心配されます。しかし、新型コロナウィルス感染症に対応するワクチン開発の早期実現に関する報道があることなど、新型コロナウィルス感染症克服への道筋が見えてきています。私たちが元の生活を取り戻す方向に向けて一層の努力が必要であると感じています。さて、岐阜県では昨年7月に「ぎふ木育」の拠点施設である「ぎふ木遊館」と「森林総合教育センター(愛称:morinos(もりのす))」がオープンしました。「ぎふ木遊館」は、新型コロナウィルス感染症防止対策のため施設は予約のみでの利用となっていますが、連日予約が満杯状態で、「岐阜県の豊かな自然を背景とした森と木からの学びであるぎふ木育を推進・深化させていく総合拠点とするために、岐阜県産の木材をふんだんに使用し、木に触れ、森を感じ、その森の恵みである木のおもちゃでの遊びを通して次代を担っていく子供たちを育て、幅広い世代の交流を促進していく館(拠点)」という「ぎふ木遊館」に込めた想いが具現化されていることが実感されます。また、「森林総合教育センター(愛称:morinos(もりのす))」は、「ぎふ木育30年ビジョンの実現に向け、、幼児から大人まですべての人と森をつなぎ、森と暮らす楽しさと、森林文化の豊かさを次世代に伝えていく施設」で、新国立競技場を設計した建築家の隈研吾氏が基本設計等の指導を行っています。小学生から社会人を対象に各種教育プログラムを実施しており、最近は大手総合建設会社の新入社員が、伐倒した木を馬で運び出す「馬搬」を体験するなど全国的な森林教育の拠点になりつつあります。森林づくりの推進には、様々な階層の方々の森林・林業に対する理解の醸成が不可欠です。「ぎふ木遊館」「森林総合教育センター(愛称:morinos(もりのす))」が、岐阜県の森林づくりの更なる推進に大きく貢献することに期待をしています。昨年の七月豪雨により下呂市、高山市、郡上市を中心に県内で多くの激甚災害が発生しました。岐阜県では、これまでも治山事業や森林整備事業の推進により「災害に強い森林づくり」が進められてきましたが、対策の更なる推進が不可欠であることが明らかとなりました。県土の八十一パーセントを森林が占める岐阜県においては、防災・減災対策の視点からの県民の安全・安心の確保のためには、治山事業や森林整備事業の推進による健全な森林づくりがその柱となることは言うまでもありません。当協会といたしましても、国や県に対する制度や予算の充実の要請等を通じて、防災・減災対策としての治山事業や間伐等の森林整備事業の推進に寄与して参りたいと考えております。森林づくりは、「親が植え、子が育て、孫が伐って利用する」という三代にまたがる息の長い営みと言われています。当協会といたしましても、こういった森林づくりの基本を踏まえ、岐阜県の豊かな森林の生み出す多様な恵みを、一◯◯年先の県民も享受できるよう、岐阜県の森林づくりと山村地域の活性化に取り組んで参りますので、皆様の御支援を御願いいたします。結びになりますが、今年一年の皆様のご多幸を祈念しご挨拶といたします。新年のご挨拶(公社)岐阜県山林協会会長日置敏明明けましておめでとうございます。皆様には、健やかに新春を迎えられたことと、お慶び申し上げます。さて、昨年は我々の生活に大きな影響を与える出来事がいくつもありました。1月に国内で初めて確認された新型コロナウイルス感染症は瞬く間に全国に拡大し、外出自粛要請やイベントの中止などが続きました。これらの影響により減少した木材需要を回復させるため、県では6月補正予算により、県産材を使用した住宅建築への支援の拡充、デジタル総合住宅展示場構築や、原木の需給調整のためのストックヤード整備への支援などを行うとともに、10月には、台湾の建築士やデザイナーを対象に、オンラインで商談会を開催いたしました。今後もwithコロナ、そしてコロナ終息後も視野に入れ、コロナ社会に適応した施策に取り組んでまいります。また、国道41号線やJR高山線の寸断など、飛騨地域を中心に多大な被害をもたらした7月の豪雨では、林業分野でも、山地被害44箇所、林道被害218路線など、約40億円の被害が発生しました。改めて、被災された皆様におかれましては、心よりお見舞い申し上げます。現在県では、9月補正予算により復旧工事を進めているところですが、今後も頻発するであろう豪雨による災害を防ぐため、治山施設の整備や間伐などの森林整備により災害に強い森林づくりを推進してまいります。一方、本県の豊かな森林を守っていくためには、県民の皆様に森林に親しみ、理解を深めていただくことが不可欠です。このため、街の中で木のおもちゃや木工での遊びを通して、森を感じ、森林とつながることができる木育の拠点施設「ぎふ木遊館」を昨年7月に岐阜市内に開館しました。さらに、森の中での様々な体験を通じて、森林と暮らす楽しさや森林文化の豊かさを感じ、人と森がつながることができる森林教育の拠点施設「森林総合教育センター(愛称:morinos)」が森林文化アカデミー内に開所しました。今後も両施設を拠点として、多くの方にぎふ木育を体験していただくとともに、今後全県下への普及を図るため、指導者の育成にも努めてまいります。昨年7月、本県はSDGsの達成に向け優れた取組みを提案する自治体として「SDGs未来都市」に選定されました。森林・林業・木材産業は、SDGsの達成に大きく寄与するものです。また、政府が掲げる温室効果ガスの排出量を実質ゼロにするためには、吸収源対策としての森林整備が欠かせません。さらに、新型コロナも契機となって「デジタル社会」が進んでいますが、デジタル化が進めば進むほど人はストレスを抱え、自然を体感する「アナログ社会」へのニーズが高まると思われ、森林との関わりはアナログの世界そのものと言えます。今後、森林・林業・木材産業への期待、役割は益々大きく、重要になり、県としてもその期待に応えられるよう、林業の担い手確保・育成をはじめ、各種施策に取り組んでまいりますので、皆様のご理解とご協力をお願いいたします。結びになりますが、本年が岐阜県の森林・林業・木材産業の飛躍の年となりますよう祈念申し上げ、年頭のご挨拶とさせていただきます。年頭のご挨拶岐阜県林政部長荻巣雅俊MORINOTAYORI3