ブックタイトル森林のたより 809号 2021年2月

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概要

森林のたより 809号 2021年2月

普及コーナー下呂地域における林業普及活動■下呂農林事務所二階勇二林経営計画を作成するうえでの留意点などを説明しました。続いて、健全な山づくりをするための森林管理として、南ひだ森林組合が下呂市金山町地内で「林業成長産業化森林整備事業」として実施した枝虫被害林の主伐・再造林の取組み事例について説明いただきました。南ひだ森林組合では、高性能林業機械による車両系作業システムによる搬出間伐を行ってきましたが、今後、架線系集材事業の強化も図ったうえで、下呂農林事務所管内は、岐阜県の中東部に位置する下呂市のエリアで、森林面積約78千ヘクタールのうち約7割に当たる約55千ヘクタールを民有林が占めています。人工林率は県平均を大きく上回る62%で、その約7割をヒノキが占めています。地域の森林整備の担い手としては、2つの森林組合と13の林業事業体が稼働する中、79名の森林技術者が従事しています。当地域では、林業事業体以外にも各地区に森林造成組合(森林所有者で組織する団体)が活動しています。そのリーダー的存在の自伐林家が、自己所有林や地域の森林を自ら施業するなど、森林造成組合によって様々な活動が展開されています。今回は、当管内におけるこれらの担い手を対象とした林業普及活動の取組みを紹介します。主伐・再造林の推進下呂農林事務所では、平成29年度から令和元年度にかけて、将来に渡り森林資源の循環利用を図るうえで、適切な伐採と再造林による齢級構成を平準化していく取組みとして「皆伐編」、「植栽編」、「低コスト施業技術」、「再造林の先進地視察」の各研修を実施してきました。(詳細は、令和元年12月号(№795号)の普及コーナーに掲載)今年度は、主伐・再造林計画の作成に向け、補助事業を効果的に活用する知識の普及が必要なため、各林業事業体を対象とした研修会を開催しました。研修は、冒頭に私ども林業普及指導員から、主伐・再造林に関する各事業(補助制度)の説明、主伐計画を含む森主伐・再造林に取り組みながら、循環型林業へ移行することとしています。その取組みのもと、人里近くの主伐として、周囲に立木が無いことからタワーヤーダを休耕田に設置し、地面に穴を掘り、控索を設置するなどの苦労があったこと。架線を設置する時にドローンを使い索張の労力が軽減できたこと。主伐事業を行うときに事前の森林調査や作業場所の調査等を十分に行う必要があり、調査精度を上げないと精算で赤字になること。シカの多いところは獣害対策が重要なこと。また、補助事業を活用しない場合は、森林所有者と十分に検討する必要があること等の説明がありました。今後、主伐地の継続的な確保と主伐経験の積み重ねによって、木材生産性の向上を図り、木材生産量の拡大に貢献されることを期待します。研修参加者からは、地元へ「主伐・再造林の説明に当たり、単に補助率を説明するだけでなく、実際にどれくらいの経費がかかり、補助金交付見込み額など具体的な試算表で説明してほしい。」などの意見がありました。地域の林業事業体には、平成29年度▲研修における座学の様子▲タワーヤーダ設置状況▲主伐地の状況面積:1.80ha樹種:ヒノキ林齢:50~96年生搬出材積:956.749m3MORINOTAYORI 14