ブックタイトル森林のたより 809号 2021年2月

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森林のたより 809号 2021年2月

国有林の現場から52こんなところにも国有林2令和二年十月号で金華山を紹介しましたが、郡上市役所の裏にある東殿山(とうどやま標高五七八m)も国有林です。郡上市といえば日本三大盆踊りに数えられる、郡上おどりが有名です。郡上おどりは、寛永年間(一六〇〇年頃)郡上藩主であった遠藤慶隆が住民の融和を図るため奨励したものです。この山の歴史は古く前期室町時代、応永年間東益之(古今伝授をした東歩きます。途中ツルシキミ、ヤマザクラの七本立ちなどを見ながら四阿まで。四阿からは八幡町の町並みが望めます。このほかにも乙姫―四阿コース、赤谷コースがあります。郡上市役所西側からの赤谷コース入り口は岸壁にはしごとロープが設置してあり、健脚コースと呼んでいます。追伸、四阿にはアンケートボックスを設置しております。東殿山へ登られたなら今後の参考にさせていただきたいので是非一言アンケートにもご協力下さい。(岐阜森林管理署)スがありますが、郡上市役所隣にある愛宕公園からのルートが一般的です。愛宕神社境内の円通閣裏手からつづら折りの歩道を登るコースです。標高四〇〇メートル付近から国有林に入ります。樹齢二〇〇年以上の天然ヒノキが大半をうめ、コウヤマキ、ヒメコマツなど岩礁山特有の針葉樹混成の天然林になります。また低木層も日本海型のマンサク、ヒメアオイ、ユズリハ、太平洋型のタラヨウ、サカキ、シキミなどがあり太平洋型、日本海型植物の接点となっています。湿潤で急斜面のためシダ類も豊富で専門の研究者たちはまだ発見されていない新種が発見できるかもと期待しているようです。三の曲輪跡、二の曲輪跡を経て一の曲輪跡、すなわち赤谷山城跡に到着します。石垣の跡が当時を彷彿とさせます。ここからさらに山頂を目指します。山頂では、八幡城が望め天候によっては遠く白山まで見ることができます。山頂から四阿まではなだらかな尾根を常縁の父)が犬啼山城を築いたとされています。その後東常慶(東常縁の孫)は篠脇城主(郡上市大和町)でしたが、越前の朝倉氏の侵攻を受け大きな損害を受けたため赤谷山城(東殿山城)を築き居城を移したとされています。東氏滅亡以降は郡上藩の藩林として藩主の管理下に置かれました。一六五二年城下は大火にみまわれ城下町を焼き尽くしました。城下町再建のため東殿山も用材となるものはすべて切り尽くされたようです。大正八年にも大火があり、その際にも復旧のため大正九年四月から九月までに約三〇〇〇本が伐採されたという資料が残っています。藩林として保ってきた東殿山も幕府の大政奉還等の時、慈恩寺の寺領とされましたが、明治初年に一部を返上し御料林となりました。昭和二十二年林政統一により、国有林となり、現在は林野庁岐阜森林管理署が管理しています。東殿山国有林には、4つの登山コー▲郡上八幡城から東殿山国有林▲天然ヒノキの大木▲ツルシキミの花と実MORINOTAYORI 16