ブックタイトル森林のたより 812号 2021年5月

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概要

森林のたより 812号 2021年5月

Q目指したい山づくりについて興膳さんは、大雨が降っても川が濁りにくい「水をはぐくむ山づくり」を目指していきたいとのことです。将来的には、自分たちの山を持って、自分たちが考える理想の山づくりを色々と試したいそうです。そして、自分たちの山で採取した水やそこを流れる川資源を活用した取り組みを行うなど、森林サービス産業に発展させていく構想があるようです。その先駆けとして、この夏には、森の中でテントのサウナを作り、清流の天然水を体験するイベントを行う予定があるとのことです。今後は、自分たちが進める山づくりに賛同してもらえる森林所有者や仲間を一人でも増やし、自分たちに山の手入れを任せてもらいたいと熱く語っておられました。えて育てる林業」をやっていきたいという思いが次第に強くなっていったそうです。Q近況について興膳さんが所属する郡上里山株式会社では、現在、県内の林業事業体が行う地拵えから植栽、保育を受注し作業を行っておられます。林業事業体としては、まだ新米とのことですが、県内の林業事業体のベテランの方々から教育訓練を受け、県外の林業事業体からも助言をもらいながら、まずは現場の技術を磨くことを心掛けておられます。今後は緑の雇用にも挑戦し、新しい仲間を増やしていきたいとのことです。今回は、木材生産を主業とする林業事業体が多くを占める郡上地域において、植栽・保育を中心とした「植えて育てる林業」を進めている興膳健太さんをご紹介します。Q「植えて育てる林業」を目指したきっかけは?興膳さんは、郡上に憧れて今から十四年前に移住し、自然体験のインストラクターや猟師として、郡上地域の自然や地元の人々の魅力を伝える仕事に従事されてきました。毎春、郡上漁協と一緒にボランティア活動の一環で源流の森を育成するための植樹活動を行う中で、シカによる植栽木に対する食害の深刻さを目の当たりにし、「このままでは郡上の森は伐ることは進んでも更新が進まない」という危機感を抱くようになったとのことです。さらには、猟師としても活躍されているので、良い山で旨い猪を捕りたいという猟師としての願いもあり、郡上地域で自ら木を植える役割を担いたいという気持ちが日に日に大きくなっていったとのことです。そんな折に造林と保育に特化した事業を行っている和歌山県の株式会社中川へ視察に行き、感銘を受け、同社の事業のやり方を学び、郡上地域で「植地域の人毎年春に行われる源流の森育成事業で植樹を行う興膳さん郡上里山株式会社郡上地域で「植えて育てる林業」の実践に取り組む意欲溢れる起業人興膳健太さんこうぜんけんた現場研修として仲間と一緒に行った植樹事業●詳しい内容を知りたい方はTEL0575ー67ー1111(内線250)郡上農林事務所まで【郡上農林事務所林業普及指導員和田将也】MORINOTAYORI15