ブックタイトル森林のたより 814号 2021年7月

ページ
18/22

このページは 森林のたより 814号 2021年7月 の電子ブックに掲載されている18ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play

概要

森林のたより 814号 2021年7月

普及コーナー揖斐管内における主伐・再造林のその後の状況ついて■揖斐農林事務所林業課林業普及指導員田中郁男見られず、くわんたいの効果であることは明白です。しかし、植栽木が順調に成長し、くわんたいを外す時期の難しい判断に直面しました。個体差もあり、もう1年、設置することとしました。〇積雪により倒伏ある日、現地を通ると、順調に生育していた植栽木の60~70%が倒れている状況が目に飛び込んできました。遠くから見た状況では、雪の重みで支柱ごと傾いているように見えましたが、現地へ足を踏み入れると、支柱が根元から折れているものも多く見られるなど、積雪の破壊力に驚かされました。〇雪起こしの実施くわんたいをいつ外すか?という難しかった判断は、雪起こしとともに外すという結果の判断になってしまいました。岐阜県では、人工林の林齢構成の平準化と本格的な木材利用を迎えた森林資源の循環利用を図るため、主伐・再造林を推進しています。揖斐管内でも、次の2箇所で主伐・再造林を実施していますので、その後の状況について、紹介します。揖斐川町谷汲岐礼地区(平成29年度、町有林の1・5haを主伐・再造林)スギのコンテナ苗を2,200本/ha植栽し、くわんたいで獣害対策を実施しています。この箇所では、プロットを2箇所(1プロット:50本)設置し、毎年、根本径、苗高等を測定しています。〇順調な生育状況植栽木の苗高は、プロット1では、平均215cm、プロット2では、平均178cmへ伸長しています。根本径は、プロット1では、平均27・2mm、プロット2では、平均23・3mmへ肥大しています。R1年度調査からは、僅かですが、くわんたい内部に雑木が混入して植栽木の成長を阻害している事例も見られました。R2年度調査では、苗高が最も高いものは290cmへ伸長しており、植栽木の先端が、くわんたいを突き抜けている個体も散見されるようになっています。〇くわんたいはいつ外す?昼間でもシカを目撃するなど個体数が多い地域ですが、シカの食害が参考までに、近くで広葉樹植栽し、くわんたいを設置している箇所では、同じような倒伏の被害は見られないことから、植栽木の高さとくわんたいの重みが積雪に耐えられなかったものと想定されます。揖斐川町久瀬日坂地区(令和元年度から令和3年度に、県有林約5・0haを主伐・再造林)スギのコンテナ苗を1,600本/ha植栽し、TUBEXで獣害対策を実施しています。〇積雪により倒伏谷汲地域で倒伏があったことから、雪解けを待ち、現地確認に行った結果、ざっと見て、30%程度が倒伏している状況を目のあたりにし、耐雪仕様のTUBEXの支柱までは、さすがに折れていないだろうと、現地へ足を踏み入れると、倒伏して▲倒伏の状況▲支柱が折れた状況MORINOTAYORI 18