ブックタイトル森林のたより 815号 2021年8月

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概要

森林のたより 815号 2021年8月

地域のきのこ生産者~恵那地域編~きのこ類をはじめとする「特用林産物」の生産額は、岐阜県の林業産出額の約4割を占めるなど、山村地域の重要な収入源となっています。また、きのこ類の生産資材である「原木」や「木材チップ」などは岐阜県の森林資源のうち、広葉樹の主要な需要先の一つとなっています。一方、近年、産地間競争の激化や、外国産菌床の増加による販売価格の下落に加え、生産資材の価格高騰、後継者不足など、県内のきのこ類生産者を取り巻く環境が深刻な状況となっています。そのような中、さまざまな工夫や努力を行いながら県内各地できのこ生産に取り組んでいる方々をご紹介していきます。(紙面や取材の都合上、一部の方のご紹介となることをご容赦ください)農業生産法人(株)ナチュラルプランツ代表土屋守さん(中津川市)Q1何を生産されていますか?A1菌床しいたけです。Q2栽培拠点は?A2日本で初めてシクラメンが導入された地として栄えた中津川市の南西に位置する「阿木地域」と、長野県木曽郡の御嶽山のふもとに位置し、木曽ひのきの産出地である「王滝地域」の2カ所を栽培拠点としています。Q3栽培に取り組まれてどれくらいになりますか?A3しいたけ栽培の前には水稲栽培をしていましたが、十年ほど前から菌床しいたけ栽培を専業に取り組んでいます。Q4栽培方法を教えてくださいA4阿木地域と王滝地域で、それぞれ者へより正しい情報の提供、産地に対する関心の向上を期待しています。Q6生産の特徴は?A6当社では、生産工程における食品安全、環境保全、働く従業員の労働安全に配慮した持続可能な経営の国際的な基準である「GLOBALG.A.P.」を5年前から取得、さらには、今年から環境負荷の低減に向けた栽培に対し与えられる「有機JAS」を取得しました。具体的には、菌床の原材料となるオガコには国産の広葉樹使用を徹底、有機JAS用の栄養体を調達するほか、生育期間中には棚ごとに生育状況の記録・栽培管理を行っています。また、栽培に使用した菌床は栽培後そのまま廃棄するのではなく、粉砕したものを地域の農家さんへ提供し、土壌改良用の資材として再活用を図り、廃棄物の削減、資源の循環に取り組んでいます。Q7最後にPRをお願いしますA7安全・安心なしいたけを供給していくうえで、第三者による認証は当然ながら、自らの栽培経営・生産管理に対し、継続的な改善を積み重ねることが重要と考えています。出荷先・消費者からより喜ばれ、今後も供給してほしいと思われるよう、品質の向上を図って参ります。取材を受けていただき、ありがとうございました。【県産材流通課時任大樹】異なる栽培方法で生産しています。阿木地域では、標高800mという寒暖差の激しい気候を活かし、春から夏は自然温度で菌床を培養し、秋の気温の温度差・低下を刺激として、9月頃から翌年の4月頃にかけてしいたけを発生させる自然に合わせた栽培を行っており、一方、王滝地域では温度・湿度を制御できる空調設備を利用して、年間通じしいたけを発生させています。Q5主な出荷先を教えてくださいA5当社は市場には卸しておらず、主に岐阜県・愛知県・長野県の地元スーパーや外食店へ出荷しています。また、近年海外から輸入された菌床から育てたしいたけの国内での出荷が増加しているため、それらとの差別化、安全・安心なしいたけである証として、当社で出荷するしいたけには「原産地(収穫地)」に加え「菌床製造地」も商品に表示しており、消費生育棟内にて、土屋代表阿木地域の培養兼生育棟(培養中)MORINOTAYORI 10