ブックタイトル森林のたより 816号 2021年9月

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概要

森林のたより 816号 2021年9月

更には、ふもとの作業土場には製材機が設置されており、自分で伐採してきた木を製材して板を挽くこともあるそうです。●終わりに色々と考えながら森づくりをしているものの、林業は自然が相手故、思いどおりにならないことも多いそうです。例えば、平成30年の台風19号では所有山林でも大きく被害を受け、現在でもその影響が残っています。そんな中でも藤根さんが一番気を付けていることは作業の安全です。「怪我をしては何にもならん。」と藤根さんは言います。これからも怪我無く持続可能な森林経営を目指していくと決意を語ってくれました。●効率的な森林経営を目指して藤根さんが森林経営を引き継いでからもうひとつ目指しているのが、効率的に施業を行うように努めるということです。藤根さんは若いころ、何時間も山を歩いてようやく現場にたどりつくという経験を何度もしたことから、これからの林業はもっと効率的であるべき、との思いを強く持ちました。そのため、経営する山林には積極的に作業道を開設して、現在は森林内のどこへでも車で容易にアクセスが可能で、見て回るのに便利だということです。また、設置した作業道を活かすため早くから高性能林業機械を導入してきました。現在はグラップル3台、プロセッサ1台、バックホー1台を保有し、たいていのことは自力でできると言います。今回は、山県市船越にて長く森林経営に携わっておられる、有限会社屋満喜(やまき)代表取締役の藤根正孝(ふじねまさたか)さんに、これまで取り組んできた森づくりについてお話を伺いました。●二足のわらじを履きながら藤根さんは岐阜県森林組合連合会(県森連)にお勤めだった約40年前、それまでお父様が経営していた山林を引き継ぎ、県森連職員との二足のわらじを履きながら、森林経営に携わってきました。現在、藤根さんはおよそ73ヘクタールのスギ・ヒノキの人工林で森林経営に取り組んでいます。●複層林施業に取り組む森林経営に携わってから、藤根さんは一貫して複層林施業に取り組んできました。一本伐ったらその跡に一本植える。これを繰り返して複層林に仕立ててきました。また、できるだけ下刈りも控えることで下層植生を維持し、地力の確保と災害に強い森づくりを進めてきました。藤根さんは、「家からすぐのところに山があるので、よく林内の見回りをしている。そんな時に単層林だと同じ風景ばかりで面白くない。複層林ならいろいろな顔を見ることができるので飽きがこない。」と言います。地域の人藤根正孝さん有限会社屋満喜持続可能な森林経営を目指して林内に開設した作業道路網藤根正孝さん【岐阜農林事務所吉田宗平】●詳しい内容を知りたい方はTEL058ー214ー7409岐阜農林事務所までふじねまさたか階層構造の発達した複層林やまきMORINOTAYORI7