ブックタイトル森林のたより 817号 2021年10月

ページ
15/22

このページは 森林のたより 817号 2021年10月 の電子ブックに掲載されている15ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play

概要

森林のたより 817号 2021年10月

宿泊施設への薪ボイラーの導入支援について?地域の木質バイオマスエネルギーを活用?岐阜県では清流の国ぎふ森林・環境税を活用し、岐阜の豊かな森林を活かした環境にやさしい社会づくりのため、「木質バイオマス利用施設導入促進事業」により木質バイオマスエネルギー(薪、ペレット等)を使用するストーブ・ボイラーの導入を支援しています。ここでは、令和2年度に導入支援しました、宿泊施設「山の宿ひおき」の薪ボイラーについてご紹介します。山の宿ひおき板取川に沿い平家岳・左門岳・日永岳などに囲まれた関市板取に「山の宿ひおき」はあります。以前は街道沿いで営業していましたが、平成17年に今の場所に移転しました。客室は5部屋あり、ロビーには薪ストーブ、食堂には端材や廃材を利用してオーダーメイドしたテーブルやイス等が並んでいます。広大な敷地内にはテニスコートやバーベキューハウスも完備されており、夏場にはご夫婦や家族連れが多く訪れています。代表の日置香さんは福島県南相馬出身。会社員として名古屋で勤務後、板取村森林組合に就職。その後奥様のご薪ボイラーを導入して薪ボイラーの熱で蓄熱タンク内の水を温め(60℃を目安)、お風呂のお湯等への給湯や暖房に使っています。以前所有していた蓄熱タンクより大型で保温性能が良くなったため温度が下がりにくく、頻繁に薪をくべる必要がなくなり作業が楽になりました。また、灯油ボイラーを追い炊き用に使っていますが、蓄熱タンクの保温性能が良いため、灯油の使用量を削減することができます。地域の木質バイオマスエネルギーの活用所有地の伐採木や地元の森林組合から購入した太い広葉樹等の地域材を薪小屋にストックしています。今後は、山の中で放置されている風倒木や枯れ枝等も薪に活用したいと考えています。地域の森林資源を薪に活用して沸かした格別なお湯をみなさんも味わってみてはいかがでしょうか。【県産材流通課丸山晴雅】料亭で修行経験のある息子さんを中心に魅力のある料理を宿泊客に振る舞っています。薪ボイラー導入のきっかけ日置さんは、所有する薪ボイラーが老朽化したため、新しいボイラーを探す中で、大垣市上石津にある「(株)森の仲間たち」が取り扱う熱交換システムに興味を持ちましたが、価格面で躊躇していました。すると、同社から森林・環境税を活用した「木質バイオマス利用施設導入促進事業」の利用について提案がありました。とてもよい話だと思い、この支援事業を利用し導入することに決めました。両親が経営する当旅館を継がれました。現在は日置さんご夫婦と息子さんご夫婦で経営されており、山菜や鮎など、季節に応じた地元の旬な食材を使い、山の宿ひおき端材や廃材からオーダーメイドしたテーブルやイス(食堂)薪ボイラー(VIESSMANN社製(ドイツ))(右は日置香さん)蓄熱タンク(FORSTNER社製(オーストリア))風呂場MORINOTAYORI15