ブックタイトル森林のたより 817号 2021年10月

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概要

森林のたより 817号 2021年10月

普及コーナー■可茂農林事務所林業普及指導員大石昌嗣可茂地域におけるシイタケ原木林の整備促進について針」(以下、「整備指針」という。)を作成し、シイタケ原木林を整備する試みを始めました。可茂地域広葉樹林整備指針検討会の開催について令和2年度に、原木シイタケ生産者、森林組合職員及び、行政職員を委員とした検討会を開催しました。11月12日の第1回検討会では、広葉樹林の維持管理をする者がいる場合を本指針の対象とすること、また、目標とする林型(シイタケ原木・薪等生産型、里山型、奥山型、竹林型)毎の整備方針案や、侵入竹対策、広葉樹施業に活用できる補助制度等について検討しました。委員からは、「目標とする林型の整備に要する費用等、収支計算を記載すべき」、「コナラ等の伐採時期も記載すべき」等の意見が出されたため、それらを踏まえて「整備指針」(案)を修正しました。令和3年3月9日の第2回検討会では、この「整備指針」(案)について、改めて検討するとともに、管内のシイタケ原木林生産に関わる施設等を知っていただき、より具体的な意見がもらえるよう、加茂山林種苗生産組合の広葉樹コンテナ苗の生産現場(富加町)、可茂森林組合の広葉樹施業予定地、及び、川辺町で原木しいたけやほだ木の生産に取り組んでいる「環わの森もり」が整備している広葉樹施業地(以上、美濃加茂市)を視察しました。加茂山林種苗生産組合の佐藤組合長からは、コナラ等の苗木の生産に際し、コンテナの用土、肥料の配分により、可茂農林事務所管内は、岐阜県の中南部に位置し、2市7町1村からなる地域です。森林面積は約5万8千ha、民有林の約56%が人工林で、県平均の46%を大きく上回っています。当管内の特徴は、七宗町、八百津町、白川町、東白川村の林業地域と、美濃加茂市、可児市、坂祝町、富加町、川辺町、御嵩町の都市近郊地域とに分かれ、それぞれの地域に応じた森林整備を行っています。林業地域では、東濃ヒノキの生産地であることから、森林経営計画を樹立し、森林環境保全直接支援事業等を活用して、森林整備や木材生産に積極的に取り組んでいます。都市近郊地域では、清流の国ぎふ森林・環境基金事業の里山林整備事業を活用し、農地への獣害被害を防除するためのバッファーゾーンの整備や不用木の除去、竹林の整備等を実施しています。可茂地域のシイタケ原木林の整備について可茂地域は昭和初期から優良な原木シイタケの生産地であり、現在も白川町や川辺町を中心に原木シイタケが生産されています。しかし、2011年の東日本大震災の影響により主要生産地である東北地方からシイタケ原木の入荷が激減しています。また、その影響から価格も高騰し、長野県や岐阜県北部からも原木の入手が困難となっています。そこで、広葉樹林が多い当管内の都市近郊地域において、シイタケ原木林の整備を主目的とした「可茂地域広葉樹林整備指植栽後の成長に大きな差が生じるため、試行錯誤を行っていること等、広葉樹の苗木生産の難しさの話を伺いました。また、可茂森林組合の広葉樹施業予定地では、伐採されたコナラ林分の状況を見学しました。萌芽している根株がある中で、高齢で伐採された根株では枯損しているものもあり、適切な林齢での伐採の必要性を確認しました。▲加茂山林種苗生産組合での見学の状況▲生産しているコナラの苗木の状況▲広葉樹施業予定地の状況MORINOTAYORI 18