ブックタイトル森林のたより 817号 2021年10月

ページ
3/22

このページは 森林のたより 817号 2021年10月 の電子ブックに掲載されている3ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play

概要

森林のたより 817号 2021年10月

100年先の森林づくりシリーズ21第3期岐阜県森林づくり基本計画(H29~H33)では、望ましい森林の姿へ配置転換する「100年先の森林づくり」、林業経営を重視した「生きた森林づくり」、環境保全を重視した「恵みの森林づくり」に取り組んでいます。これらの取組状況について、隔月連載でご紹介します。◆地産地消型木質バイオマスエネルギー活用プロジェクト木質バイオマス利用に向けた支援地産地消型の木質バイオマスエネルギー活用による環境にやさしいまちづくりへの支援のため、木質バイオマス利用施設(年間2施設)の整備を進めています。昨年度は、関市内において、宿泊施設への熱供給施設(薪ボイラー)の整備の支援や、未利用材を効率的かつ安全に搬出するための技術研修を実施しました。安全・効率的な搬出技術の研修(美濃市)宿泊施設の薪ボイラー(関市)また、地域住民と市町村が連携して実施する、森林内に放置された間伐材等の未利用材や伐採地等で発生する未利用端材の搬出、運搬に要する経費の一部を助成しました。令和3年度も、9市町・30団体への支援を実施し、木質バイオマスの利用を促進します。地産地消型木質バイオマスエネルギー活用プロジェクト地産地消型木質バイオマスエネルギーの活用を進めるため、燃料の安定供給体制を構築するとともに、地域分散型の木質バイオマス利用施設を整備し、地域内で資源の循環利用ができる体制を整備するプロジェクトです。【県産材流通課資源活用係】◆第3期岐阜県森林づくり基本計画の取り組み低コストで手間のかからないニホンジカ採食防止技術の開発岐阜県においてもニホンジカ(以降、シカとする)の生息範囲が広がっており、新植地にシカの食害対策を実施しなければならない地域が増えています。現在、対策として植栽時に設置する単木保護資材(図1)や防鹿柵の費用は補助が出ますが、設置後の維持管理(見回り、破損した資材の修繕など)の費用には補助が出ません。そのため、シカの食害対策について、低コストで効果が高く、維持管理に手間のかからない技術が必要です。岐阜県森林研究所では、市販の単木保護資材各種を様々な環境に設置して、資材の破損状況や苗木の成長を比較しました。これにより、積雪に弱い資材の支柱の材質や、設置することで樹形異常が起こる資材の特徴等を明らかにしました。これらの情報は、設置場所に適した資材を選択する際に役立ちます。適した資材を設置することで、防除効果を高め、維持管理の手間を軽減させることができます。これらの成果と、維持管理に手間のかからない防鹿柵の検証結果をまとめた手引書を今年度中の公開に向けて、現在作成中です。【森林研究所】図1単木保護資材筒状の本体と支柱で構成される。3MORINOTAYORI