ブックタイトル森林のたより 818号 2021年11月

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概要

森林のたより 818号 2021年11月

活かす知恵とを森林人106●詳しい内容を知りたい方はTEL(0575)35ー2525県立森林文化アカデミーまで「森の中での木のおもちゃ作り」岐阜県立森林文化アカデミー木工専攻講師●前野健に近い、枝をちょっと切って削っただけの道具ですが、こういう原始的な道具を使ってみると「モノ作りの原点」立っている気がしてきて、それも楽しくなってきます。子ども達が手に取って遊ぶおもちゃには、とてもよく考えられていて、デザインもキレイでカッコいいモノがたくさんあります。でも、親が森に行って自分で作ったモノを子どもの手に触れさせたり、子どもが自らの手で作ったモノで遊ぶ経験も大切だと考えます。こうして作った木のおもちゃは、もしかしたら簡単に壊れてしまうかもしれませんが、それも含めて良い経験だと思います。モノにあふれた時代だからこそ、自分の手で作り、壊すところまで、存分に体験することがゼイタクだと思うのです。「木のおもちゃを作ってみませんか?」こんな質問を投げかけられて、すぐに頭の中でモノ作りをしている自分をイメージできる人はどれくらいいるでしょうか?木でなにかを作るなんて、モノ作りを仕事にしている職人さん。もしくは、手先の器用な趣味人の方や、肥後守(ひごのかみ)世代の先輩方など、ごく限られた人たちだからできること。もしくは工作用の機械や工房があって初めてできること。そんな風に思っていませんか?最近、私が始めた活動に「ナイフカフェ」というイベントがあります。これは一般の方(幼児から大人まで!)に刃物やモノ作りに親しんでもらうための活動です。森の中から少し小枝を分けてもらって(中には小枝というには太い物も混じりますが)、小さなサコッシュから取り出した「折りたたみノコギリ」「手回しドリル」「ポケットナイフ」でおもちゃや遊びの道具を作ります。3つも道具を持ち歩くなんて嫌だよぉ!という人には、スイスのアーミーナイフで知られているビクトリノックスの「キャンパー」や「ハントマン」といったノコギリ付きのナイフがおススメです。これ1本あれば、色々なモノ作り遊びが楽しめます。作るモノは、木のクルマや動物といったおもちゃから、野外遊びの焚き火まわりで使えるマシュマロやソーセージを焼くためのフォークなんかも作ったりします。子ども達からのオーダーでは「剣を作りたい!」というのが定番でありますが、これは作ってから、ケンカに使って、大人に没収されるまでがひとくくりのパターンなので、けっこう格好良いモノが作れるのですが、最近はあんまりやらないようにしています。これらの手道具と小枝を使った工作は、いざ取り組んでみると、とても簡単に作品ができあがることに驚きます。実は、木のモノ作りというのは、たった3つの道具があるだけで、かなり凝ったモノでも作れてしまうんです。そして、このモノ作り遊びのおもしろいところは「道具を作る」ところから始まること。枝を割るためのクサビやクサビをたたくマレット(木槌)などは、どちらも限りなく「枝」ノコギリ、ナイフ、ドリル。クサビやマレットは手作り。枝木で作ったクルマと動物MORINOTAYORI 12