ブックタイトル森林のたより 818号 2021年11月

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概要

森林のたより 818号 2021年11月

り、コロナの影響により資格を取るための講習会が延期になるなど、苦労する面もありました。●今後の予定、目標など?これから林業に携わる以上、ルーティン業務の中に素材生産作業を取り入れていきたいです。令和5年度までには、地元を中心に森林経営計画を作成して施業地を集約化していく予定です。今年度から森林環境譲与税を財源とした下呂市の「谷沿倒木処理事業」も積極的にやりたいです。この仕事はポータブルウインチ1台と私、妻の二人でできる仕事、それゆえ我々のような小さな会社にとってはチャンスだと思っています。何よりも大事なことは、山の間伐であれ何であれ、依頼主に満足してもらうことだと思っています。創業したてで知名度ゼロからのスタート。これから仕事を増やしていくにはお客さんに喜んでもらい、信頼を得る事以外にないと思っています。他人の山(又は庭)で仕事をさせてもらっている、ということを肝に銘じて丁寧な仕事を心がけます。森林整備等のご相談・ご用命は、合同会社森人(0576-20-4019または090-6076-5878)まで。●最後に長期的視点にたった地域の森林づくりが求められている中、下呂市の森林づくりにおいて吉川夫妻には、地域の模範となる林業経営者として活躍されることを期待しています。山仕事は一人ではできないので、妻の協力なしではそもそも起業できませんでした。妻は、林業をはじめるにあたりチェンソー・刈払機特別教育、ロープ高所作業(樹上作業)特別教育を修了し、一緒に作業していますち。なみに「森人(もりびと)」の由来は、いくつかの候補から森を守るということから決めました。●現在の仕事の状況は?岐阜県森林・環境税を活用した「岐阜県森林環境保全林整備事業」の間伐(切捨)の仕事が最も多く、それ以外には、林業事業体からの測量等の請負、個人から依頼を受けた庭木、枝切り、支障木伐採、危険木伐採、草刈りなどです。特殊伐採などの高所作業は、危険であることは言うまでもありませんが、やっていて楽しく、やりがいがあります。今年は長雨の影響により、思うように森林整備(間伐作業)が進まなかったり、集中豪雨によって林道や作業道が被災した下呂地域は、戦後から積極的に人工造林が進められ、良質なヒノキの生産地「益田林業地」として発展してきました。このため、人工林ヒノキ中心で森林・林業に関心の高い森林所有者が多い地域です。今回、森林整備や搬出間伐、個人から依頼を受けた支障木・危険木伐採などの仕事を行う「合同会社森人」を起業した吉川夫妻にお話を伺いました。●これまでの経歴は?代表の健さんは、東京の大学を卒業し、都内の食品輸入商社の仕事に就いた後、青年海外協力隊としてタンザニアで「首都緑化プロジェクト」に従事しました。帰国後、山仕事をしたくて当時Iターン従業員を募集していた小坂町森林組合に就職しました。森林組合では、十二年間森林技術者として造林・素材生産の現場に従事、その間に森林施業プランナー育成研修を受け、森林組合事務職員となって森林施業プランナー業務に三年間従事しました。森林組合退職後、小坂町内の企業で原木シイタケ栽培などを経て、令和2年6月に起業しました。●起業のきっかけは?7年前に趣味で始めた狩猟が、猟犬を飼い始めたことでとても面白くなり、勤めに制限されず、自由に山に入って狩猟を楽しみたいとの思いが強くなりました。さらに狩猟で山の中を動き回る中、「薄暗い人工林を野生動物にとっても人間にとっても、もう少しましな状態にしたい」という思いも強くなりました。2人の子供がいますが、親の手から離れ、親としての責任もだいぶ軽くなったこともあり、妻に起業したいと相談したら条件付きであるが賛成してくれ、妻も仕事に協力してくれることになりました。地域の人吉川健さん・奈々江さん夫妻合同会社森人(もりびと)~夫婦二人三脚林業の道へ~吉川健さん・奈々江さん夫妻●詳しい内容を知りたい方はTEL0576ー52ー3111下呂農林事務所までMORINOTAYORI15